15. ページ16
目を瞑って、4分。
｢もう開けていいっスよー。｣というロウレスの明るい声が聞こえて、おそるおそる目を開ける。
そこには、吸血鬼の姿が跡形もなく消え去っていた。
まるで何も無かったかのように。
｢…ｯ吸血鬼は…？｣と聞くと、｢あー…消した、っス…。｣と歯切れ悪く答えるロウレス。
消したというのは、多分物理的に消したという意味であっているだろう。
その後の言葉が上手く繋げられず、｢…そっ、か…。｣としか言えなかった。
ロ｢あー…A、こんな時に悪いんっスけど 発作止めなきゃ。｣
｢あぁそっか…、ありがと。｣
ロ｢ありがとなんて言葉、俺には似合わないっすよー、噛まれるの嫌なクセに。｣
｢嫌っていうか…まぁ誰だって傷つけられるのは嫌でしょ？笑｣
ロ｢そりゃそうっスけど…。｣
｢つーかロウレス自身もこの匂いキツイんでしょ？
早く、はいどーぞ。｣
ロ｢…じゃあ、失礼します。｣
Aの言う通り、ロウレス自身平然を装っているものの無理をしている。
昼に出るなんて今まで無かったと言っているところを見るに異例というやつだが、甘い空気も昨日とは比べ物にならない。
気を抜いたら、それこそさっきの下級吸血鬼みたいになってしまう。
そんな事してしまっては、信頼を失ってまたAが一人で抱え込まなければいけなくなる。
それだけはしてはいけない。
｢ふぅっ…｣と一度呼吸を整えて、がぷりっ…とAのうなじに噛み付いた。
ｼﾞｭﾙｯ…という吸った音と共に、ツーッ…と首筋を伝う零れた血。
相変わらず甘ったるくて実に美味しい。
その伝った血もペロリと舐め、自制心をかけて口を離した。
ビクッ…とAの肩が跳ねるのを感じる。
ロ｢…はい、終わりっスよ。今度はちゃんと止めたっスからね。｣
｢そりゃどーも…。
さ、帰ってこの原因突き止めなきゃねー。｣
怖いはずなのに、無理をするのは。
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中村千尋(プロフ) - 更新頑張って下さい!!とても続きが気になります (2019年5月19日 21時) (
レス) id: a991a170a0 (このIDを非表示/違反報告)
み ゅ ー ぽ む 。(プロフ) - 悠希さん» ォア”ア…夢主ちゃん褒められること中々ないので、凄く嬉しいですっ…こちらこそこれからも飽きずに読んでやってください！ (2019年3月14日 11時) (レス) id: 8c1d057699 (このIDを非表示/違反報告)
悠希(プロフ) - 夢主ちゃんのふとみせる純情さがとても可愛いです！更新頑張ってください！ (2019年3月13日 13時) (レス) id: a3d85731e7 (このIDを非表示/違反報告)
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