百四 ページ4
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「理由は、信長さんが帰蝶さんのことを何も記さなかったからです。だから、私は何も知りません。
あとこれは私の勝手な考えですけど下手に動いたら、今生きてるかもしれない先生も死ぬと思います」
信長は微動だにせず、荒川澄香のことを穴が空くほど見詰めた。真偽を見定めていたのだ。だが、今唯一の頼りと言えばこの未来から来た女だ。この言葉を信じ従うしか他に道はないのだ。
信長はそれを重く受け止め、間者を派遣することにしたのだ。
「蘭丸、光秀を呼べ」
「わかりました」
「出ろ」
囚われの身となったAの扱いは酷かった。Aが帰蝶であることを否定したためである。髪がぼさぼさに荒れた僧が男にしては細い腕を強引に掴み、牢からAを出した。
Aは大人しく僧に連れて行かれた、掴まれた腕が痛くて顔を歪めた。
いくつもの階段を上がってゆくと、暗闇の中に蝋燭がいくつか見えた。廊下だった、戸は閉じられているが部屋からはそれの女の声が漏れていた。足取りは重くなるばかりだった。
やがて、廊下の一番奥まで辿り着くと大きな襖が開けられた。その部屋には大きな金の仏像があった。だが、錆びれて蜘蛛の巣までかかっている。仏像の前にはまあ高い背の僧が鎮座していた。笠で目元は見えなかったが、威圧感は異常だ。恐らくこの僧が延暦寺の頭領だ。本願寺顕如。
延暦寺の中でも高僧なのか数十人が頭領の前に並び鎮座している。奴らの気は鋭かった。
Aはその中に投げられ、穴が空きそうな程見られた。
掴まれていた腕は赤く手形が残っていた。
「貴様が信長の妻の護衛か」
「そうだ」
頭領らしき男はAの前に屈むと、顎を掴み上を向かせた。だが、Aはその男の顔は見えなかった。包帯で隠されていたからである。
Aは自分が帰蝶であることを悟られる前に、即答した。自分が何かの交渉に使われたとなれば信長にとって迷惑この上ない。
「…」
すると、僧は何故か左腕をぐっと上へ持ち上げた。左腕は、斎藤利三に斬られてから時々痛む。それを、僧は知ってでもいるかのように持ち上げたのだ。勿論、Aはギリッと歯軋りをして痛みを堪えた。
僧は、反応を見て嘲笑うでもなく手を放すと、その間から出て行った。なんだったのだ、とAは僧共の中にポツリと座り込みながら思ったのだった。そして、特になにもされなかったことにAは安堵していた。
だが、Aを影が覆った。
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愛之助(プロフ) - そうです《自主規制》のひとりごとです＾＾ (5月21日 19時) (
レス) @page39 id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
カケオレ - ま、まさか……薬〇のひとりごと……！？ (5月21日 19時) (レス) @page39 id: 1b32a494c8 (このIDを非表示/違反報告)
愛之助(プロフ) - 玲さん» 作品の目次ページにボタンとCSSて書いてあるとこでオフにして貰えたらノーマルになるのでお願いします〜🙏💦 (2022年7月10日 21時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
玲 - すいません。とっても面白いんですけど背景のせいで文字が見にくいです。 (2022年7月10日 20時) (レス) @page39 id: be882aa841 (このIDを非表示/違反報告)
なーーみ(プロフ) - 愛之助さん» もう本当に感謝しかないです（ ; ; ） ありがとうございます。 これからも頑張ってください。応援してます！！ (2021年5月17日 22時) (レス) id: af11d71d69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：大手裏剣
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oh19years/
作成日時：2019年9月29日 1時
