百二三 ページ23
.
「生きていたのか、甲斐の虎」
「嗚呼、とても残念だ。
安心しろ、愛しのお姫様はこちらで手厚く預かる」
少しずつ、信長から遠ざかっている。暗闇で空に虚しく手を伸ばした。
侵入者だと、騒ぎ立てていた。同時に信長が起きたことによって城の中は大騒ぎだ。やっと目の前が明るくなった。城から遠ざかっていく。見慣れた崖が見えた、そこに人が数人立っていた。
「母上!!」
「信忠、」
信忠だった。両脇には弟や妹が居た。腕にはまた赤ん坊を抱えている。
「息災で!」
言葉がでなかった。信忠、仮とは言えど短い時だったが、本物の子どものように感じた。
武田信玄は、じっと子達を見ると、馬を蹴った。
「信長は子沢山だな、愛してる者が他の女と情を交わすのはどう思う」
幸に全て責任負わせてる訳では無いだろう。流石に自分でも気付く。信長も他の側室と交わしていただろう。でも、当主としての跡継ぎのことを否定など侮辱に値する。自分がその役目を支えることが出来ないのだから。
「…構わん。織田の為だ」
「そうか。無理矢理付き合わせたが、随分と晴れやかな顔になったな」
「ああ…感謝する。信玄公」
「あの忍はどうしたのだ」
「猿飛か…気付かれるまで探らせてるよ」
「信長には見つからぬといいな…野郎、刀を投げるからな」
本当に容赦がないというか、刀を無駄にするのは馬鹿なのか。いや、それでも仕留めてしまうのだからそれは天才なのか。
「馬鹿か」
「…ものの価値が分からんからな」
「あの魔王、目覚めたの!?俺様結構危なかったんだけど!」
「私が起こした」
じぃぃっと忍は見詰めてきた。文句を言われそうだ。
「あっそう、まあいいや。アンタ元気そうだし。あ、そうそう俺様のこと佐助て呼んでいいよ。あの忍〜とか分からなくなるし、」
思ったより、武田は気持ちの良い人間が多いのかもしれない。
「何を口説いてる、猿」
「なんだ右衛門か。てか俺様別に口説いてるわけじゃ」
「鹿右衛門だ」
と、二人の忍が部屋で騒ぎ立ていつも自分は武田信玄と暇を持て余している。
「信玄公、」
「なんだい」
「私は中身が現代人だ」
唐突だが忍2人は全く耳に入っていないようだった。だが、武田信玄は真面目にそうかそうか、と頷く。
「それに、元々人に学びを教える立場でこの時代もこの先も大体細かく分かっている」
.
284人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
愛之助(プロフ) - そうです《自主規制》のひとりごとです^^ (5月21日 19時) (レス) @page39 id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
カケオレ - ま、まさか……薬〇のひとりごと……!? (5月21日 19時) (レス) @page39 id: 1b32a494c8 (このIDを非表示/違反報告)
愛之助(プロフ) - 玲さん» 作品の目次ページにボタンとCSSて書いてあるとこでオフにして貰えたらノーマルになるのでお願いします〜🙏💦 (2022年7月10日 21時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
玲 - すいません。とっても面白いんですけど背景のせいで文字が見にくいです。 (2022年7月10日 20時) (レス) @page39 id: be882aa841 (このIDを非表示/違反報告)
なーーみ(プロフ) - 愛之助さん» もう本当に感謝しかないです( ; ; ) ありがとうございます。 これからも頑張ってください。応援してます!! (2021年5月17日 22時) (レス) id: af11d71d69 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:大手裏剣 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oh19years/
作成日時:2019年9月29日 1時