とある破天荒夫婦のバカな歴史記(白目)【名前変換オリジナル】

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「もうお分かりかとは思いますが、私は真田信之でございます。貴方は真名を隠していないらしいですね、Aさん」

「…信頼や交遊関係をしているのは自分なのに、本当の自分を呼んでもらえないのは嫌だ。だから、渾名として皆に広めた」

信之は座って静かにAの話を聞き、頷くと口を開く。

「私は白洲(しらす)司(つかさ)という名前でした。それを知っているのはほんのひと握りしかいませんが、好きに呼んでいいですが人前では控えて下さい」

「司か、分かった。…あの武田信玄は、本人か？」

「ええ、本人ですよ。歴史を変えた上で。
助けられたんですよ、ある人物に。何年も前の事ですが、現代から来た医者があの方を救った。しかし戦の最中でその人は治療を終えると流れ弾で命を落としました。代償とでもいいましょうか」

代償。確かに、早期発見で結核に気付いて治療をしたのだから現代の医療では助かるはずだ。死んでしまったのか。

「…貴方も変えたのでしょう。歴史としては小さなことかもしれませんが、」

嗚呼、織田信行を生かしたことか。心当たりがそれなりにあり過ぎて分からない。流れ弾、そういえば1度あった、戦を止めた時の恨み晴らしに信行側の兵が撃った火縄銃。脇腹を貫いたあれは初めて死を意識するものだった。その他にも、身勝手に離縁して斎藤義龍の戦にも巻き込まれた。

「…2度ぐらいある。身体はボロボロだ」

「あまりおすすめはしない。だが、否定は出来ないかもしれない。私は幸村を護りたい、死なせたくない」

中身は兄弟ではないが、血の繋がりを持つ弟なのだ。死なせたくないのは当然だろう。

「愛してますから」

「…なに？それは家族として…」

「否、男としてですよ」

あ〜…そういう事でしたか…。まあ、自分が言えたことではないんだが。真田信之て、本多忠勝の娘と結婚してなかったか…？いや長篠の戦いが起きてないのだからまだ、か。

「…そういえば、冴鶴という女というのはその武田信玄を救った医者か？」

「はい、名は桐島 冴です。勝手に御館様が鶴に似てるだなんだと言って冴鶴と言っているんですよ。あと、1つ。男性です」

…この世界は男色に溢れているのか？いやまあ、武田信玄と言えば男色を…みたいなのは有名な話しだが。
人のこと言えないよな、自分も男なんだし。…女ということになってはいるが。


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