百十二 ページ12
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「私でも構いませんか？織田信長殿の妻、A殿」
それは、何かとAの前に現れる忍だった。だが、いつもとは違い忍装束を纏わぬ武将に近い姿である。顔は見たことがなかった。だが、今はそんなことよりも信長を優先すべきである。Aは懇願した。
「じ、…自分はどうなってもいい。出来るなら、
信長を助けてください…」
「引き受けよう。
貴方はその山を下ってください、私の弟がいます」
Aは、生死の境を彷徨う信長を見つめ、熱を持った手に口付けをすると、立ち上がり言われた通りに道無き道を通って山を降りた。
少し歩き続けると、松明の火が見えた。
「貴方は濃姫殿でしょうか」
「嗚呼…っ」
若々しい少年の声が、Aを迎える。手には雄々しく光る朱の槍。六文銭の印のある鉢巻を巻いていた。まだまだ、幼さの残る少年だったがAは勘づく。
彼はのちの日ノ本一の兵。真田幸村だ、と。
「私は、武田家家臣真田幸村です。
では、行きましょうか」
幸村は、馬に跨るとAの手を引いて馬に乗らせ、ゆっくりと馬を進めた。馬が止まったのは、朝方で日の出が近付いていた。数刻の違いで、治療を引き受けた男が到着する。
「ここは武田か」
「ええ、」
武田信玄。戦国武将としてよく名を知られている。武田騎馬隊はどこの騎馬隊にも負けない。確か、武田信玄は結核だっただろうか。この時代ではまだ、治す手立てとない。不治の病だ。
「兄上、まず御館様に報告をした方がよいと思います」
「ああ、そうだな。すまないが、幸村頼む」
「はい！」
二人は会話を交わし、区切りを付けるとそれぞれ逆方向に歩き出した。Aはどこに行けば分からず、立ちすくしていたが、幸村がすぐに気付くと人のよさそうな笑顔で「濃姫殿はあっちですよ」と言った。なんだが、Aとしてはどこか子どもらしさを感じていた。まだ若いんだ、とAは自分がけっこう老けてきたことをしみじみ思うのだった。
「何故そんな渋い顔をしているんですか」
ある部屋の前で立ち止まった幸村の兄だという男はAの顔を見て違和感を含んだ目で見てきた。
「若さというものが眩し過ぎる」
「何を言っているのかさっぱり分かりません」
「解せぬ」
「こちらの台詞です」
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愛之助(プロフ) - そうです《自主規制》のひとりごとです＾＾ (5月21日 19時) (
レス) @page39 id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
カケオレ - ま、まさか……薬〇のひとりごと……！？ (5月21日 19時) (レス) @page39 id: 1b32a494c8 (このIDを非表示/違反報告)
愛之助(プロフ) - 玲さん» 作品の目次ページにボタンとCSSて書いてあるとこでオフにして貰えたらノーマルになるのでお願いします〜🙏💦 (2022年7月10日 21時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
玲 - すいません。とっても面白いんですけど背景のせいで文字が見にくいです。 (2022年7月10日 20時) (レス) @page39 id: be882aa841 (このIDを非表示/違反報告)
なーーみ(プロフ) - 愛之助さん» もう本当に感謝しかないです（ ; ; ） ありがとうございます。 これからも頑張ってください。応援してます！！ (2021年5月17日 22時) (レス) id: af11d71d69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：大手裏剣
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oh19years/
作成日時：2019年9月29日 1時
