17.馬鹿なやつ ページ19
獪岳side
すーすーと寝息を立て寝始めるこいつはのんきというのかアホというのか、警戒心が全くない。
それにきっと俺が寺から追い出された理由だってすでに知っているのだろう。
普通そんな奴と一緒には寝ないし、弟呼ばわりだってしない、
少なくとも俺だったら絶対にお断りだ。
それでもこいつは俺に普通に接する意味が分からない、
何か企んでるのか?こんなアホずらが?
そんな思考を巡らせていると、
「〜〜〜〜、〜〜〜〜。、、、、〜〜〜、〜〜〜〜〜〜、〜〜〜〜、、、」
どうやらあいつが寝言を言ってるらしく、明日からかってやろうと耳を澄ますと、
「やらなきゃ、救わなきゃ、、、つらい、こわい、、、、
、、、、たすけて、、いたい、、、、さみしい、、、さむい、、、、、、」
うなされているのか、泣きながらずっとうわごとのように
呟いては止まりまた呟きを繰り返してた。
そう言えば先生がこいつは、こことはまったく違う場所に住んでいたが
ある日突然この場所に訳も分からず致命傷になるほどの傷を負わされ放り出されてたと聞いた。
世話人のかかるやつだと思いながら、放ってはおけず仕方なく起こそうと
肩に手を置くとあいつはそれを器用に寝返りを打って握ってきた。
すると寝言がピタッと止まりまた寝始めた時のように安らかな顔で
すーすーと規則的な寝息を立て始めた。
「ちっ、めんどくせぇな。」
そう言いながらも俺は握られた手を振り払えなかった。
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少し補足ですが、Aちゃんが入院している間に
じいちゃんがAちゃんが未来から来たことは省いて
すでに説明をしてくれています!
なのでAちゃんの事情は知っていますが、
Aちゃんが未来人であることを獪岳は知りません!
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作者名:さきた | 作成日時:2020年2月28日 19時