４７.何がしたい ページ5
遊馬 side
コンコン、と部屋のドアがノックされる。
「遊馬、入るぞ」
俺の許可の声も待たずに入ってきたのは、アニキだった。
外じゃあ細かいところまで気配りを欠かさないアニキだけど、家だと打って変わって色々荒い。
「あのな……」
とりあえず一言文句を言おうと口を開いた。が、アニキの顔を見て結局何も言えず固まる。
目がやたらと鋭い。何か嫌なことを詮索されそうな雰囲気だった。
「あ、アニキ、何の用？」
控えめにそう訊いてみはしたけど、アニキは答えずにすたすたと近づいてきて俺のベッドに座った。
そのまま黙り込んで動かない。真面目に何しに来たんだ。
「遊馬お前、咲羅さんと同じクラスだっただろう」
もう一度聞こうとしたとき、アニキがようやく口を開いた。ただ、その質問の内容は今更すぎるもので。
「そうだけど……何が言いたいんだよ」
遠回しなのにイラッときて、さっさと進めようとする。咲羅の名前を出してきたから、内容は大方今日のことだろう。
「最近、咲羅さんに何かなかったか。様子がおかしかったとか」
やっぱり、そうきたか。鋭いアニキのことだから、何か感づいているかもしれない。
「いや、調子が悪そうだったのにはアニキも気付いてただろ。それ以外は特にない、けど」
「……けど？」
今日の、花壇が荒らされたことについては、大体予想がついてる。どうにかして花壇のことが、咲羅をいじめている……近藤たちに知られてしまったんだろう。
こんな言い方は薄情かもしれないけど、ばれたらこうなるだろうと思っていたから、あの無残な姿にされた花壇を見た時もアニキたちほどは驚かなかった。
ただ、いくらばれてもあそこまでされるとはさすがに思ってなかった。その点だけは、別の意味でアニキたちより驚いたかもしれない。
どうして、というよりも、どうにかして隠し通せなかったのか、という思いの方が強い。咲羅がいじめられていることを知っているのは俺だけだった。だから、対処できるのも俺だけだったのに。
やっぱり、最初からアニキたちに話しておけばよかったのかもしれないという後悔を今になってする。
咲羅には言うなと言われた。でも、それは何も起きなかったらの話だ。
だけど、今更言ったらアニキにどやされるだろうな。
「遊馬？」
気が付いたらだいぶ難しい顔をしていたようで、アニキがいぶかしげに名前を呼ぶ。
俺は心の中で一人、よし、と決心をつけてアニキを見据えた。
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蒼(プロフ) - …高校離れたから、もうだいぶ会うことも少なくなったけどね。 (2016年7月12日 21時) (
レス) id: 845aea6d7a (このIDを非表示/違反報告)
姫奈 - 蒼さん» 確かに、こんな人本当にいたらかなり疲れそう・・・ファイト！ (2016年7月11日 7時) (レス) id: 366548b939 (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - マジで大変なんだからね、付き合うの。 (2016年7月11日 6時) (レス) id: 845aea6d7a (このIDを非表示/違反報告)
姫奈 - 蒼さん» ｗｗｗそう言うと思った！言ってみただけだよ〜ｗ (2016年7月7日 16時) (レス) id: 366548b939 (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - 会わないほうがいいと…(-_-;) (2016年7月6日 22時) (レス) id: 845aea6d7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：姫奈 | 作成日時：2016年4月20日 9時
