５６.呼び出し ページ14
A side
花壇に顔を出さなくなってから……学校に行かなくなってから、結構経った。
お父さんとお母さんに心配をかけちゃいけないとはわかっているんだけど、一度休んでしまったら、そのままずるずると引きずって今や立派な不登校生だ。
親不孝な娘だなあ、私。
毎日毎日、布団に潜って静かな時間が訪れるたびに考えてしまう。でも、考えるだけで行動はできなかった。
もうそろそろ夏休みに入ってしまう時期だ。いい加減一回ぐらい行かなくちゃいけない。
何回か遊馬くんから連絡が入っていたけど、何を言えばいいかわからなくて無視してしまっていた。
他の人からは何も来ていない。たぶん、遊馬くんに委ねているんだろう。
花壇を滅茶苦茶にされて逃げ出した私のことを、クラスでいじめられてる私のことを、みんながどう思っているかはわからない。
心配はしてくれていると思う。でも、だからこそ関わるのをやめてしまうかもしれない。
こんなことは言いたくないけど、少なくとも花壇のことは、ギャラスタと関わっていたのが主な原因だと思うから。
「これだけ休んじゃったら、遊馬くんに合わせる顔すらないなあ」
諦めたように軽く笑って、寝返りをうつ。
そこに、合わせたようなタイミングでスマホが鳴った。
「っ……」
静かな空間に響いた音に驚いて、心臓がうるさいくらいに跳ね上がる。
時計を見て、顔をしかめた。こんな夜中に誰だろう。
「……」
画面を確認して、今度はうるさかった心臓がぴたりと止まった気がした。
「静馬さん……」
久しぶりに見た、その二文字。
出るかどうか迷って、手が画面の上をさ迷う。
そうこうしているうちに、留守番電話になってしまった。
「もしもし、咲羅さん？夜遅くにすみません、お伝えしたいことがありまして」
これまた久しぶりに聞いた声と、相変わらずの丁寧な敬語。
不思議なくらいいつもの調子の静馬さんに、胸がきゅうと締め付けられた。
「花壇を元通りにすることができたので、明日は学校に来てください。きっと驚きますよ」
ふふ、と笑った画面の向こうの彼に、一瞬思考が固まった。
静馬さんの口から出たのは、もう話題にされないと思っていた言葉だった。
「どういうことですか」
気づけば、とっさに通話ボタンを押していた。
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蒼(プロフ) - …高校離れたから、もうだいぶ会うことも少なくなったけどね。 (2016年7月12日 21時) (
レス) id: 845aea6d7a (このIDを非表示/違反報告)
姫奈 - 蒼さん» 確かに、こんな人本当にいたらかなり疲れそう・・・ファイト！ (2016年7月11日 7時) (レス) id: 366548b939 (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - マジで大変なんだからね、付き合うの。 (2016年7月11日 6時) (レス) id: 845aea6d7a (このIDを非表示/違反報告)
姫奈 - 蒼さん» ｗｗｗそう言うと思った！言ってみただけだよ〜ｗ (2016年7月7日 16時) (レス) id: 366548b939 (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - 会わないほうがいいと…(-_-;) (2016年7月6日 22時) (レス) id: 845aea6d7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：姫奈 | 作成日時：2016年4月20日 9時
