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死ぬのか、という問いにいつまで経っても答えてくれないから彼が立っている隣に腰を下ろした
それに続くように座る彼
多分、この人は死ぬんだろうな
私の直感だったけど、あながち間違いではないのかもしれない
『ここね、私が死ぬ場所って決めてるんだ。ほら、私って必要のない人間だから。だから死ぬなら他をあたってね』
彼は相変わらず表情を変えずじっと私を見つめていた
『うーん、それとも2人で一緒に死ぬ?』
「だめだよ。君は必要な人間でしょう。幸せに、ならなきゃ」
やっと口を開いた彼の声は想像以上に低かった
『っ、幸せ?ならお兄さんだって、』
そこまで言ってハッとする
なぜかって?
彼の羽織るパーカーの下から顔を覗かすシャツが赤く染まっていたから
怪我、だろうか
私の視線に気づいたのか彼はゆっくりパーカーのチャックを下ろした
『、っ、、』
「ね?俺はこの世に必要ないでしょ?」
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作者名:ぷよ | 作成日時:2021年10月8日 1時