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01 TH ページ1
【TH side】
力を込めて握りしめた左手が痺れる
俺の着ている白いシャツは真っ赤に染まっている
目の前で無惨な姿で倒れている父親と粉々に割れたガラス瓶
隣ではヌナが口をパクパクさせて固まっている
正気に戻った俺ははじめてやばいと思った
手に広がる血の感覚に気持ち悪さを感じる
近くにあるペットボトルに入った水を手にかけ無理矢理シャツで拭き取るけれど固まった血はなかなか取れない
昼間だというのに薄暗い部屋を外の光がスッと差し込む
行かなきゃ
部屋に戻ってフードのついたパーカーを羽織りマスクをつけて帽子を深く被る
「テ、テヒョン」
今までにないくらいか細い声で俺の名を呼ぶヌナに胸が苦しくなる
・
『ごめんね、ヌナ』
振り返って最低限の笑顔を見せればヌナは小さく震えていた
棚から父親の通帳と俺がバイトで貯めたお金を取り出してその場を後にした
・
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作者名：ぷよ
| 作成日時：2021年10月8日 1時
