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翔太の付き添いとして俺が一緒に乗り込む。
サチュレーションと呼ばれる酸素濃度を測る機械が指に付けられ、救命士の人が酸素を測る。
84と出された数字を見て直ぐに酸素マスクが着けられた。
酸素マスクを付けて点滴をする翔太の姿は、驚く程小さく見えて。
点滴をしていない方の手を繋ぐ。
「…あの、翔太はいったい」
そんな俺の声に、忙しなく動いていた救命士の人が優しく応えてくれる
「渡辺さんは、喘息発作が起きています。かなり無理したのか、重めですので酸素濃度もかなり低くなっていました。」
翔太が喘息だったなんて、聞かされていなかった
いつから、なんで、どうして
そんな思いが顔に出ていたのか、大丈夫ですよと告げられる。
病院に着いて直ぐに処置室に入っていく翔太を後から着たメンバーと待つ。
「…翔太、喘息だって。」
俺の言葉に、やっぱりという声が聞こえる。
「何も、聞いてなかった。」
舘さんさえ知らなかった。
それはきっと、最近発症したということ。
無理していたということ。
「…気付いてあげられなかったなあ。」
悔しそうなふっかの声に全員が頷く。
それから暫くしてベッドに寝かされた翔太がでてきた。
あまりにも病人ですという姿にラウールが泣き出してしまった。
ここの病院に翔太が喘息でかかったことがあったらしく、主治医の先生が来て話をしてくれた。
1か月程前から喘息症状が出始めていたこと
そこまで重篤ではなかったため投薬治療と吸入で抑えていたということ。
ダンスがしたい、そう言っていたということ
それらを聞いた時、我慢させてしまったことを後悔した。
丁度3日間の合宿が入ってしまったこともあり、きっと俺らに言うことも出来なかったのだろう。
酸素マスクをして眠る翔太の頬を撫でる。
「…ごめんね、翔太」
泣きそうな佐久間が声をかける。
これから先、またこういうことが起きるのかなと思うと少し不安になる。
普段通り薬を飲んでいれば、そうそう発作は起きないとは言っていたけれど。
それでも、何が起きるかなんてわからない職業で
沢山踊ったり身体を張ったりするお仕事だから。
これ以上、苦しまないで欲しいんだけどな。
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パイナップル(プロフ) - リクエストお願いしたいです!舘様が自分が高熱だと分かっていたのに無理して倒れて皆に看病してもらった後に治ったふりをしてまた倒れて皆に説教される話が見たいです!看病のメインは翔太くんでお願いします! (2020年3月27日 11時) (レス) id: ec2780e711 (このIDを非表示/違反報告)
プリン(プロフ) - リクエスト失礼します。阿部ちゃんが体調不良で看病はふっかさんと照くんでお願いします! (2020年2月17日 16時) (レス) id: 6697620264 (このIDを非表示/違反報告)
魔理沙 - 佐久間くんと館様が2人とも体調悪いのを隠していて、仕事中に2人とも倒れてみんなで看病するという話をお願いします。 (2019年12月16日 7時) (レス) id: 3fca4c7b24 (このIDを非表示/違反報告)
るるみ - 康二くんが疲労から倒れて、過呼吸になるのをお願いします。看病は岩本くん、舘様でお願いします。 (2019年12月14日 19時) (レス) id: 579ffd5296 (このIDを非表示/違反報告)
海樹(プロフ) - こういうお話好きです 無理しちゃうけど、メンバーが支え時には止めてくれる、そんなメンバーの絆にほろりと涙ぐんじゃいます。 愛されnbさん、可愛いです (2019年11月25日 23時) (レス) id: 0a9b62f6e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凛 | 作成日時:2019年11月17日 13時