Snowtime

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照side

あの充実したダンス合宿を終え、いつも通りのスタジオで練習をする。

けど、あの日から翔太の様子がおかしい。
咳き込む頻度が高くて、息の上がり方も今までと全然違う。
特に今日は相当苦しそう。

｢翔太休憩しよ。そんなんじゃバテるぞ｣

｢いや、…大丈夫。やらなきゃ｣

ゴホッ！と苦しそうに咳をする。
ふっかと目を合わせると、やはり困惑したような顔をしていた。

｢…取り敢えず、あと1回だけ合わせて休憩にするぞ。｣

全員ダンスを合わせながらも、目線は翔太。
身体が弱いのは元からだけど、それだけじゃない何かを感じる。

そう思っていた時、

｢っは…ｯｺﾞﾎｯ...ﾋｭｰ…ｯ｣

酷く咳き込みながら翔太の身体が傾いた

｢翔太！｣
咄嗟に身体を抱える。
ﾋｭｰﾋｭｰ、と苦しそうな音が聞こえる。

｢救急車呼んで！｣
わかった！と阿部ちゃんの声が聞こえる。

｢翔太、聞こえる？今阿部ちゃんが救急車呼んでくれてるから。もう少し頑張って｣

そう伝えながら背中を摩っていると、翔太に袖を掴まれる。
ん？と顔を寄せると、バッグ…と呟いた。
翔太のバッグを渡すと忙しなくバッグを漁り1つの小さな機械のようなものを取り出した

スーッと言う音をしながら翔太が吸い込む
｢…吸入器？｣
舘さんが呟いた。

｢吸入器って、喘息のやつ？なんで翔太が…｣
苦しそうに上下する肩を優しく包みながら、全員の目が合う。

｢取り敢えず、救急車が来てからだ。それまで少しでも楽な体制で居させてあげて、照。｣
そう阿部ちゃんに言われ、抱き直す。
苦し過ぎるのか、俺の腕を掴む手に力が篭る。
その手を握り返し、頭を撫でる。

ピーポーという救急車の音が聞こえ、全員準備を開始する。

意識が朦朧としている翔太に、もう少しだよと声をかけながら、救急車の元へ向かう。

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