Snowtime

痛みと幼馴染と___wtnb ページ17

渡辺side

雑誌の撮影をして、少クラの収録をして、ドラマの撮影をして、YouTubeを撮って。

毎日毎日、とても忙しく充実した日々を送っているなと自分でも思う。

やりたくてやってる仕事だし、もうデビューも控えたいちばん大事な時期だし。
何もしていない方が、なんだか怖くなって
無駄に化粧水入れ込んでみたりして。


けれど、最近ふと考え込むことが増えた
別にこれといって大きなことを考えている訳でもないし、何を考えたか覚えている訳でもない
ただ、気づいたら数分経ってるなんてことがよくある

｢…疲れすぎたよな。｣

きっと身体は元気でも、心が追いついていない
怒涛の毎日について行くのに必死で、頭は何も働いていないのだ。

仕事が辛いんじゃないし、メンバーが嫌なわけも決してない

経験したことの無いような感情が、心を占めている

取り敢えず今は、ダンスに集中しよう。


｢次のメドレーさ、久しぶりに6人だけでもアクロバットを入れないかってふっかと話してたんだけど、どう…？｣

少クラのリハをしていた時、突然照が言い出した

…9人体制になってから、アクロバットなんてほとんどやってないな。

｢俺はいいと思うな。6人時代を好きでいてくれた人にも、これからの9人を応援してくれる人にも、どっちにも刺激になる気がする｣

阿部ちゃんの言葉に、皆が同意する。

｢俺も、いいと思うよ。｣
俺がそう伝えると照は嬉しそうに笑を零した

そこからはどんなメドレーにするか、アクロバットを入れるならどこか、その間3人はどうするのかを全員で話し合った
案外すぐに全員の意見が一致して練習に取り掛かる。

｢アクロバット久しぶり過ぎて体なまってるわ笑｣

なんて1番身軽な佐久間が言っている。


お前でそれなら俺どうなるんだよ、なんて思いながらバク転をする。
やっぱり身体は覚えている。

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