Snowtime

・ ページ11

目黒side

｢…完全に言いすぎた。｣
そう言ってしゃがみこむ照君に、何も声がかけられなかった。
俺も少し、思ってしまったから。
今日の佐久間くんどうしちゃったんだろうって。

入ってきた時はいつもと変わらなかった気がするのに
後半は明らかにおかしかった。

｢…佐久間が戻ってくるまでできる所やろうか｣
｢けど佐久間いないとフォーメーション確認できないじゃん｣
阿部くんの言葉に翔太くんが返す。
完全に雰囲気は悪い方向に向かっていた。

｢少し休憩しよう。俺らだって休憩無しで今までやってたんだから。な？10分休憩！｣
そう言って手を叩いたふっかさんに倣って、休憩をとる。

あ、飲み物がない。

｢飲み物買ってきまーす｣

そう一応告げて、リハ室を出た。

ここから自販機はそんなに遠くはなかったはず。
少しそこで1人で休憩しよう。

そう思いながらあるくこと2分ちょい。
自販機の影に隠れる何かが見えた。

｢…ん？足…？…ｯ佐久間くん…！｣

そこにはぐったりと倒れ込む佐久間くんがいた

｢佐久間くん！しっかりしてください！佐久間くん！｣
声をかけても一向に返事がない。

…だから、途中から辛そうだったんだ
なんで気付いてあげられなかったんだろう

いつも、俺らのこと気にかけて直ぐに気づいてくれるのに。
その本人だって、きっと気づいて欲しかったに決まってるのに。

｢…ごめんね、佐久間くん｣
苦しくないように、そっと抱き締める。

そのまま優しく抱えて控え室へと急いだ。

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す