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溢れてくる涙を袖で拭い、テヒョン様の口へと、グラスの水を傾ける。
そして、薬を口元へと持っていく。
手が小さく震える。
オッパ。
私はやっぱり思う。
なんでいつも、亡くなるのは私の大切な人で、なんで私は生きているんだろう。
世界で1番、大嫌いな私が生きているのだろう。
私なんていなければ、テヒョン様やユンギ先生を巻き込むこともなかったのに。
TH「…。」
震える手に、大きくて優しい手が添えられる。
驚いてテヒョン様を見れば、彼の瞳には力が籠っており、真っ直ぐに私を見つめる。
TH「大丈夫。
俺は王様だよ。」
私にしか聞こえないほどの小さな声で、そう言い、薬を持つ私の手を掴んでそのまま自分の口へと傾けた。
『あっ』
すぐに水を飲み、白い粉を飲み込んだ。
TH「…っ。」
眉を少し潜めるテヒョン様。
TH「不味い。
ユンギに、今度は美味しい薬を処方するよう伝えといて。」
そう言って、私を抱き寄せ、近くの棚に置かれていた真剣を抜き、私の背後へと向ける。
アイツは既に短剣を抜いており、それをテヒョン様に向けている。
「A。何を飲ませたの？
僕の渡した薬ではないよね？」
TH「俺に剣を向けるなんて、良い度胸だね。」
『テヒョン様！？』
TH「しかも、Aを泣かせるなんて。
俺は許さないよ。」
その声はいつも以上に低く、冷たい。
テヒョン様を見て、背筋がゾクリとした。
切れ長の三白眼は鋭く、今まで見てきたどんなテヒョン様の瞳よりも強く、そしてその奥は炎を灯しているように燃えている。
アイツも、その瞳で見られるものだから、冷や汗がたらりと流れ、剣の先が震えている。
この人が…王様。
今まであまり見なかった、王様としてのテヒョン様の姿に、私も身動きが取れなくなる。
「所詮は、いつも守られて、王宮でぐーたらしているだけの王様だろ！！
そんな剣だって、ただのお飾りだ。」
TH「ぐーたら、ね。そんな王様、こんな国に必要ないよ。」
まぁ、テヒョン様は、王宮にいろって言っても勝手に出ていくもんなぁ。
私も、この街に来るまで思っていた王様像は、この人によってガラリと塗り替えられた。
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tatituteto0610(プロフ) - 最後まで読ませてもらいました！大号泣してます。最高でした。 (12月23日 1時) (
レス) @page13 id: a39a3f64d3 (このIDを非表示/違反報告)
フード(プロフ) - まゆう。先生の作品を一通り読ませていただきました。全てとても面白く、クオリティも高くてびっくりです…。ほぼ全ての作品でジミンって言いながら泣いてます笑これからも素敵な作品楽しみにしております。ありがとうございました。 (2021年12月16日 7時) (レス) @page12 id: 61f5887a3d (このIDを非表示/違反報告)
わたし。(プロフ) - 最後の方のジミンでまた泣きました。毎回ジミンに泣かされてる気がする…。素敵なお話をありがとうございました！ (2021年4月12日 2時) (レス) id: 373e34b3f9 (このIDを非表示/違反報告)
れみ(プロフ) - 初めましてになります。久し振りに胸がギューっとなるお話に出会えて嬉しいです。これからも素敵なお話を楽しみにしています。 (2021年2月19日 21時) (レス) id: b53fcf6dc8 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)なつき(プロフ) - 完結お疲れ様でした。まゆうさんのお話は幸せな気持ちになります。素敵なお話をありがとうございます。 (2021年2月17日 21時) (レス) id: bc9c4ed6be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まゆう。
| 作成日時：2021年2月11日 21時
