１８ ページ18
TH「何難しそうな顔してるの？
そんなに怒った？ごめんね。冗談だって。」
慌てて私の顔を覗き込むテヒョン様。
違うけど…まぁ、それで反省してくれるならいっか。
TH「Aが俺とのキスを好きなのは、言わない方が良かったね。」
『やっぱり、針を刺しましょう。』
TH「やだよ。」
針を取り出そうとすると、不注意で指先にプスリと刺さってしまった。
『いった。』
TH「大丈夫！？」
咄嗟に私の手を掴み、パクっとその指先を口にくわえるテヒョン様。
『何してるんですか！？汚いです。』
TH「ひははなふはひよ」
くわえたまま、モゴモゴと喋っている。
王様が私の指をくわえている…。
バクバクと心臓がうるさい。
指をくわえながらも、その瞳はじっと私を見ている。
熱の籠ったその瞳に我慢できず、視線を逸らす。
TH「これで大丈夫っと。」
ちゅっと小さな音を立てながら離れた、テヒョン様の口。
TH「Aが怪我するのなんて、俺見たくないんだよ。
この前の怪我は全部治ったの？」
私の診察鞄から包帯を取り出し、私の指に巻いていく。
器用…というよりはむしろ不器用でヨレヨレの包帯だけれど、それがテヒョン様らしくて、心がじんわりとあたたかくなる。
『…ん？この前の怪我？』
この前の怪我って…私がここ最近で怪我をしたのは、ユンギ先生に助けてもらったあの日くらいだ。
なんでテヒョン様が知っているの？
不思議に思ってテヒョン様をじっと見ていれば、その視線に気づいたテヒョン様が、あぁー…っと口を四角く開いて声を漏らす。
TH「ん。これでよし。ちょっと太すぎたかな？」
にっこりと笑うテヒョン様だけれど、そんなのわざとらしすぎて、怪しい。
『怪我って、どういうことですか？』
TH「いや…ユンギが言っていたから。
傷だらけの子を助けたって。
それって、Aのことでしょ？
俺は王様だよ？知らないことなんてなーいの。」
『そう…ですか。』
ユンギ先生が、テヒョン様に話したのか。
TH「ユンギはAの救世主だもんね。」
テヒョン様の巻いてくれた包帯はかなりの巻きすぎで、人差し指だけ、他の指の２本分くらいの太さがある。
TH「…A。
嫌だったら言ってね。
Aはユンギのことが好きで、ユンギと幸せになるべきなのに。
俺はAの優しさに甘えちゃってるね。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1939人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
のぞみ(プロフ) - ユンギ先生の悪い顔。。。控えめに言って好き。あーあーあー幸せ。 (2021年2月10日 0時) (
レス) id: 6ce2d3bb22 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)あねら(プロフ) - まゆうさんの作品本当に大好きです（ ; ; ）いつも読ませていただいてます。これからも頑張ってください！ (2021年2月5日 1時) (レス) id: 83ec8b03b3 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 王様いろんな女の人と毎日のようにって、もう〜。グクにもヌナが居て満たされていたし。一方でジミンさんはどんな感じだったんでしょうか。ジミンさんにも浮いた話があれば良いな、いつも切なそうだから気になってしまいました。 (2021年2月4日 10時) (レス) id: 26ef055a5c (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - この物語本当好きです、、毎回更新されるたびにどきどきしてます。これからも楽しみにしてます...!! (2021年2月3日 21時) (レス) id: 2505ec8573 (このIDを非表示/違反報告)
のぞみ(プロフ) - あぁ、苦しい、苦しいよまゆうちゃん。このシリーズはほんと切ない。でも好きなんだ。好きなんだよ。まゆうちゃん。サランへ (2021年2月3日 2時) (レス) id: 6ce2d3bb22 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まゆう。
| 作成日時：2021年1月14日 21時
