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深呼吸をし、ゆっくりとその部屋へ足を踏み入れる。
甘い香りがする綺麗な部屋の奥には大きなベッドがあり、その上で誰かが眠っている。
目を閉じていても分かるくらい綺麗な顔立ち。
ゴクリと唾を飲み込む。
こんなに綺麗な人を、私は今まで見たことがあるだろうか。
この人が、王様？
『あのー…、王様ですかぁー…？』
眠っているその人は起きる気配もなく、途方に暮れる。
王様を起こしていいものなのだろうか。
いや、気持ちよく寝ている所を起こしやがってって、首を跳ねられるかも。
跳ねられないにしても、殴られたり、蹴られたり、痛い体罰が待っているかも。
痛いのは嫌いです。
これは出直すべき？
いや、それはそれで、約束の時間に来なかったと怒られるかも。
先程の門番が、私がちゃんと約束通り来たことを証言してくれるだろうか。
…いや、あのニコニコマンはちょっと頼りにならない。
持ってきた診察セットを足元へ置き、じーっと、その人の顔を眺める。
睫毛、凄い長いなぁ。
つい見入っていると、突然伸びてきた手に手首を掴まれ、思い切りベッドの方へと引きずり込まれる。
『ちょっ、なっ‥‥』
いきなりの事すぎて声も出ず、気付けばベッドの上へと寝転び、先程まで見入っていた綺麗な顔が私をじっと見つめる。
切れ長な三白眼。
こんな綺麗な瞳を持つ人間が、この世に存在したんだ。
けれどその瞳に、私は映っていない。
「…A。」
にっこり笑い、そのまま私の唇に自分の唇を押し付けた。
『っ！！！！！？？？？？？？？』
パシン。
乾いた音とともに、驚いて目を見開く彼の顔が視界に映る。
「いた…い…？」
ユンギ先生。
どうしましょうか。私はやっちまいました。
王様の頬を思いきりぶってしまいました。
ポカンと口を開ける彼と、必死に頭を回転させ、助かる方法を模索する私。
『王様、申し訳ありません！！！！！』
王様の下からそそくさと抜け出し、全力で頭を床にこすりつける。
『なんとお詫びしてよろしいか…本当に、王様に突然襲われたからと言って、王様をぶつなんて…本当に申し訳ございませんでした！！！！！！』
頬を自分で摩っている王様。
その頬はきちんと赤く腫れている。
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のぞみ(プロフ) - ユンギ先生の悪い顔。。。控えめに言って好き。あーあーあー幸せ。 (2021年2月10日 0時) (
レス) id: 6ce2d3bb22 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)あねら(プロフ) - まゆうさんの作品本当に大好きです（ ; ; ）いつも読ませていただいてます。これからも頑張ってください！ (2021年2月5日 1時) (レス) id: 83ec8b03b3 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 王様いろんな女の人と毎日のようにって、もう〜。グクにもヌナが居て満たされていたし。一方でジミンさんはどんな感じだったんでしょうか。ジミンさんにも浮いた話があれば良いな、いつも切なそうだから気になってしまいました。 (2021年2月4日 10時) (レス) id: 26ef055a5c (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - この物語本当好きです、、毎回更新されるたびにどきどきしてます。これからも楽しみにしてます...!! (2021年2月3日 21時) (レス) id: 2505ec8573 (このIDを非表示/違反報告)
のぞみ(プロフ) - あぁ、苦しい、苦しいよまゆうちゃん。このシリーズはほんと切ない。でも好きなんだ。好きなんだよ。まゆうちゃん。サランへ (2021年2月3日 2時) (レス) id: 6ce2d3bb22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まゆう。
| 作成日時：2021年1月14日 21時
