そばにいるから。ーShintaro.Mー (ページ9)

今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:37,765 hit

＊９ページ9

.

side＿A

……眠れぬ。

ソファで寝ようとしたら慎太郎が＂俺が無理矢理泊まったんだから＂ってソファに寝始めて、それじゃあまた体が冷えちゃうと思って何とか説得してベッドに行ってもらったんだけど＂じゃあAも＂って引きずり込まれて今に至る…。

一人暮らしのクセに無駄に広いベッドにしてるから余裕はあるけど…やっぱり意識してしまう。

慎太郎「ごめん、ほんとは嫌だよね」

A「え、何が？」

慎太郎「何って…この状況？」

A「いや、私は別に大丈夫…」

すっごく緊張してるけど全然嫌じゃないし、むしろ落ち着くんです。

くっついてもなければ私は慎太郎の方を向いていない。

それでも隣にいてくれるだけで安心感がある。

慎太郎「そっか。なら良かった」

A「慎太郎こそ…大丈夫？」

慎太郎「俺も全然。逆になんか妙に落ち着くっていうか」

慎太郎も同じこと思ってくれてるんだ。

なんか嬉しい。

A「わ、私も！」

慎太郎「そ？(笑)」

慎太郎はきっとこっちを向いていて視線を感じるけど、私は仰向けのままを貫いてぎゅっと目を瞑った。

A「おやすみっ」

慎太郎「おやすみ」

とは言ったもののしばらく眠れず。

隣の慎太郎はというとあっさり寝ちゃったから、とにかく目を瞑り続けてたらいつの間にか寝てたみたいで。

聴き慣れたアラームの音で目を覚ました。

朝食の用意をして慎太郎を起こす。

慎太郎「いただきまーす」

やっぱり美味しそうに食べてくれる。

慎太郎「やべ。時間だわ」

A「仕事だよね？」

慎太郎「うん。あ、そうだ…」

A「？」

慎太郎「連絡先、教えて下さい」

A「あぁ、うん。いいよ」

一回きりだと思っていたのに二回目があって、そこで連絡先を交換するとなるとこの先も期待してしまう…。

慎太郎「じゃあまた連絡するね」

A「わかった。いってらっしゃい」

そう言った私に慎太郎は少し照れたように笑いながら

慎太郎「なんかそれいい(笑)」

と言った。

.