そばにいるから。ーShintaro.Mー (ページ5)

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side＿A

残業を終えて寒空の下、足早に帰宅。

A「うぅ…寒すぎ……って…え？！」

マンションの入り口の陰に人がうずくまってるのに気付いて、びっくりして思わず大きな声を出してしまった。

しかもそのシルエットに見覚えがあって…。

A「…しんたろ？」

慎太郎「あ、やっと帰ってきた」

そう、それはいつかぶりの慎太郎。

もう会えないと思ってたからちょっと...いやだいぶ嬉しい。

A「もしかして私待ってた…？」

慎太郎「それ以外誰がいんの」

A「え、いつから？とりあえず入ろ！」

すっかり冷えきっているであろう慎太郎の体。

ほんと何やってんの…。

A「あんな寒い中待ってたら風邪ひくよ？」

慎太郎「だっていつ帰って来るかわかんねぇし」

A「残業あったりなかったりだし、付き合いでご飯行ったりするから毎日バラバラだよ」

慎太郎「でも待ってれば会えんじゃん」

A「そんなに私に会いたかったの？何かあった？あ、実は忘れ物してたとか？んー…何もなかったと思うけど？」

温かいお茶をいれながらべラべラと喋る私を見て吹き出す慎太郎。

慎太郎「何も忘れてないし(笑)。ただ何かAさんに会いたくなっただけ」

今のはどういう…？

ちょっとキュンとしちゃったじゃない…。

A「てか呼び捨てでいいよ。散々タメ口なんだから」

慎太郎「ん、じゃあA」

会いたくなったって言われた恥ずかしさを誤魔化すために話題を変えたつもりが、名前を呼び捨てされるだけでまたキュンとさせられてしまった。

A「とりあえずこれ飲んで。お風呂入るなら沸かすけど。あ、でも帰りまた冷えちゃうね」

慎太郎「え、いいの？」

A「何が？」

慎太郎「お風呂…入りたい」

A「あぁ、そう？じゃあお湯溜めてくるね」

きっと相当冷えてるんだな。

部屋に入ってもずっと上着脱げずにいるくらいだもん。

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