スローテンポな恋ーShintaro.Mー (ページ6)

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side＿A

慎太郎『週末会える？』

慎太郎と出会ってから半年。

相変わらず一度も会うことはなかったけど、ある日突然お誘いの電話がきた。

A「え？」

慎太郎『嫌？』

A「嫌じゃないよ。けど大丈夫？慎太郎アイドルじゃん」

慎太郎『あ、俺のことちゃんとアイドルとして認識してんの？(笑)』

A「当たり前でしょ」

慎太郎『大丈夫大丈夫！あんま人多いとこは行けないけど。バレないようにすんの得意だから』

自信満々だから大丈夫かなって

A「じゃあ…」

なんて返信しちゃったんだけど。

A「何その格好！」

まだちょっと肌寒いってのに半袖半パンで待ち合わせ場所に現れた慎太郎に、第一声で思わずツッコミを入れるという変な再会の仕方をした。

慎太郎「え、だって暑くない？」

A「寒いわ！風邪引いても知らないよ？！てかその格好目立つ！」

慎太郎「久々に会ったのにAちゃんこわーい」

A「もう、いいから行くよ！…ってどこ行くの？」

慎太郎「(笑) こっち」

仮にも一度告白されてるから、会ったら意識しちゃうのかなって思ってたけど…

会って早々、私はキレてるし(本気じゃないけど)慎太郎はそれ見て爆笑してるし、全然そんな感じじゃない。

慎太郎、私に告白したこと忘れてるんじゃない？

A「これ慎太郎の車…？」

慎太郎「うん。はい、乗ってー」

まさかの慎太郎の車に乗せられるという…。

ほんとにこれ大丈夫？

どこかで撮られたりしてないよね？

A「どこ行くの？」

慎太郎「内緒〜」

車内ではSixTONESの曲がかかってる。

慎太郎と出会ってから時々聴くようになったんだよね。

A「この曲好き」

慎太郎「お、奇遇だね。俺も好き」

なんて言いながら少し歌ってくれたりして。

A「慎太郎の歌声って癒される」

慎太郎「そ？俺は好きじゃないけどね」

A「何でよ。私は好きだよ。自信持ってよ」

慎太郎「Aがそう言ってくれるなら」

A「いくらでも言うよ。ほんとに思ってるから」

慎太郎「ありがと」

そう言って私の頭に手を置いて、雑に撫でる。

A「年上なんですけど」

慎太郎「知ってる」

触れられて少しドキッとしてしまったけど、気付かれることなく交わされた。

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