スローテンポな恋ーShintaro.Mー (ページ23)

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side＿A

どれくらい時間が経ったんだろ...。

どうやら眠ってしまっていたらしく、インターホンの音で目が覚めた。

きっと今酷い顔をしてるだろうから、誰とも会いたくなくて居留守を使った。

それでもインターホンは鳴り止まなくて。

渋々出てみると、

慎太郎「A？！なんで帰ってんの？！心配したんだぞ？！」

といきなり怒鳴られ、慎太郎だってわかった。

私のせいでこんなところまで来させてしまった...。

部屋に入れれば抱きしめられて。

慎太郎「ごめん。俺、Aのこと不安にさせた...」

こんなことを言わせてしまった。

私が勝手に色々想像して考えすぎただけなのに...。

過去の恋愛気にしてこんなになるような彼女、嫌だよね...。

知るのは怖いけど、あそこまで聞いててこの先知らずに慎太郎と付き合っていくのもモヤモヤする…。

慎太郎「昔、3年くらい付き合ってた子がいてさ…」

それを聞いただけで胸が苦しくなった。

だけど私のせいでこうなってるんだから、ちゃんと聞かなきゃ…。

慎太郎「まだデビュー前だったけど、それなりに忙しくしてた時期で…。会ったり連絡取ったりできてたのは最初の1年半くらい。あとの1年半はほぼ音信不通。最後に向こうから＂さようなら＂ってメッセージだけきて終わった…って感じ」

A「慎太郎は…その子のことちゃんと好きだった？」

慎太郎「うん。でも最終的には無理だった」

どんなに好きで大事に想ってても終わりがきてしまうなら、私ともいずれ…

慎太郎「ちょっとA、変なこと考えてないよね？」

A「考えてる」

慎太郎「正直だな(笑)。俺、Aとは絶対別れないよ」

A「どうかな...。慎太郎はその頃に比べたらもっと忙しくなってるわけじゃない？実際この数ヶ月ほとんど会ってないし...」

慎太郎「けど毎日連絡してるし、何かあればこうやって会いにも来るよ？いつか終わるなんて考えてると思う？」

A「...わかんない」

慎太郎「俺って信用ないのな...。どうやったら伝わる？」

信用してないわけじゃないし、慎太郎の気持ちは伝わってる。

なのにそれ以上何も言えなくなった。

こんなんじゃ本当に呆れられるだろうな...。

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