スローテンポな恋ーShintaro.Mー (ページ13)

今日:24 hit、昨日:10 hit、合計:51,588 hit

１３ページ13

.

side＿A

夜、お風呂上がりに慎太郎から電話がかかってきて。

昼間に私が一方的に電話を切ったのを気にしてたみたい。

＂今からちょっとだけ会えない？＂って言われて、距離的に無理でしょ...と思ってたら＂マンションの前にいる＂なんて言うから慌てて部屋へ入れた。

もうちょっとちゃんとした格好で会いたかった...。

慎太郎は＂可愛いと思うけど＂なんてさらっと言う。

ご飯も食べずに来てくれた慎太郎に出せる物が残り物しかなくて。

それでも美味しいって食べてくれた。

こんなことならご飯もちゃんとした物作りたかったな...。

慎太郎が食べてる間に溜めてた家事を済ます。

気遣わせちゃったけど、これはいつものルーティンだから気にしないでほしい。

いつの間にか慎太郎はご飯を食べ終わっていて、食器を洗ってくれていた。

きっと普段からちゃんとやってる子なんだな。

感心しつつ感謝を伝えて家事の続き。

そしたらいきなり後ろから抱きしめられて...。

慎太郎にこんな風に触れられるのは初めて...。

基本ベタベタしない派だけど、実はそういうところもあるらしい。

そして私が何か変に言っちゃったせいか慎太郎に火が点いたらしく、今度は正面から抱きしめられた。

慎太郎「Aのサイズ感いいわ」

A「チビって言いたいの？」

慎太郎「うんまぁチビだけど収まり具合がちょうど良くない？」

A「そう？てかさらっと悪口言ってるよね？」

慎太郎「言ってないよ。ちっちゃくて可愛いって言った」

A「嘘つき」

慎太郎「で、Aは？腕、回してくんないの？」

そういえば直立のままの私(笑)。

そっと慎太郎の背中に手を回す。

A「慎太郎でかすぎ...」

慎太郎「男らしいだろ？」

A「うん、まぁ...」

慎太郎「なんだよそれ〜」

ふざけてたと思ったら急に首元に顔を埋めてきて

慎太郎「やっば。A超いい匂い」

なんて言うから心臓が一気に速く動き始めて...。

A「そ、そりゃお風呂上がりだからね！」

こんな誤魔化し方しかできなかった。

慎太郎「いやこれはAの匂いだね。まじ癒される」

訳わかんないこと言ってるけど、一番訳わかんないのはとてつもなく速く動いてる私の心臓...。

.