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A「ん……え、なんで」
目が覚めた時にはベッドの中にいた。
机に伏せてそのまま寝たと思うんだけど。
しかも
廉「あ、起きた？」
隣には廉。
A「何やってんの？」
廉「仕事終わったから帰ってきてん」
A「じゃなくて、何でいんの？」
廉「いやいやいや、逆に何でおらへんの？俺の部屋」
一回自分の家に帰ったんだ。
それで私がいなかったからここへ来たと。
廉「LINEシカトされた挙句、電話も繋がらへんし」
A「ごめん」
廉「お、素直やん。まぁあれやな、仕事してたんやな」
作りかけのポップに目線をやりながら言う。
廉「俺こそごめんな。仕事あんのに連れ出して」
廉も素直じゃん…調子狂う…。
A「いや、これは別に急ぎじゃなかったし…」
廉「そっか」
A「ご飯食べるよね」
廉「ん、食べる」
いつもは私が作るのを見てるだけの廉だけど、不器用なりに手伝ってくれた。
廉「今日せっかく来てくれたのにさ。ほんまごめん」
A「だからもういいって(笑)」
ご飯を食べてのんびりしてたら、やたら廉がくっついてきて、また謝ってくる。
廉「ほんとは仕事手伝ってほしかってんけど…思いのほかやることなかったよな」
A「だよね。今日は私が手伝うまでもなかったよ」
廉「あとさ、紫耀に何かされとったしジンに送ってもらってたやん。あれ俺何とも思ってないわけないから」
A「わかってるよ(笑)」
一旦素直になればとことん素直になる廉が面白くて。
冷めてるように見えて、実はちゃんと気にしててくれたんだね。
A「廉、そろそろ帰った方がいいんじゃない？」
廉「は、なんでや」
A「何でって…明日マネージャーさん迎えに来る日でしょ？」
廉「俺泊まる気で来てんけど」
A「ダメだよ。朝困るよ」
廉「……わかったよ」
本当はいてほしいけど我慢我慢。
廉「じゃ、一回だけ」
玄関まで来たところでいきなり振り返ってきて、廉の唇が私のに重なった。
A「…っ///」
廉「ふはっ！なんやその顔！帰られへんやん(笑)」
とか言っておきながら��じゃあな〜��って帰っていった。
ほんとにずるい男だ。
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作者名：山田苺花
| 作成日時：2020年5月2日 15時
