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*
『ふ、ふーん。お風呂入ってくれば？』
「うん。その前にA．．．」
「はいっ。お土産！」
テーブルに置かれたのは
コンビニの新作スイーツ。
出現条件オールクリア
私を餌付けする怪物。
普段からロケだ何だって美味しいものに
巡り会う機会の多い濱くんは
その度に私にお土産を買ってきてくれる。
一緒に住んでなかった頃は
直ぐに渡す時間がなかったりして
泣く泣く諦めた事があったようだ。
だけど今は家に帰れば私がいて。
更に範囲も広がって、コンビニだデパ地下だとてんこ盛り。
そしてここから、たちが悪い。
「A食べて？」
今、食べるのを強要されるのです。
『ありがとう濱くん。
あ、でももう遅いから明日いただこうかな』
「え、今食べへんのぉ？」
...もう、そんな捨てられたカワウソみたいな顔しないでほしい。
...その顔に弱いんだから。
「Aが食べてる時の幸せそうな顔見るの
楽しみに買ってきてんけど」
『．．．．』
とりあえずビニール袋から出してみる。
【SAKURAモンブラン】
うわあ。めっちゃ美味しそう。
私モンブラン大好きなんだよね。
さすが濱くんいつも言ってるだけあって
間違いがない。
ちょっとだけなら、大丈夫かな．．．。
『んんっー、めっちゃ美味しいー』
ホントに美味しいのは勿論なんだけど
ちょっと小腹がすいてるこの時間に食べる
背徳感で五割増しに美味しい。
．．．ああ、全部食べてしまった。
濱くんは終始ニコニコと向かいの席で
私が食べているのを見ていて
半分こする？も、一口いる？も
全部断わられた。
私が食べ終わるのを見ると満足したのか
風呂入ってくると言って出ていった。
冷蔵庫から濱くんのハイボール用の炭酸水を
一本拝借して飲んだ。
困ったなと改めて思う。
やっぱり私の意思の弱さが原因なのか。
だけど、あんな顔して見られると
断れないんだよなあ。
実際美味しいし。
でもなあ、近頃体重が．．．。
しょうがない。明日から運動しよう。
洗面所に入って歯を磨いていると
シャワーの音がする。
鼻歌まじり。
ホントにご機嫌。
それを聞きながら笑ってしまった。
「Aー、もう寝る？」
『うん。明日早いの？』
「早いねん。Aは朝寝てていいから」
『分かった。先お布団入ってるね』
*
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作者名：瑠海 | 作成日時：2021年2月20日 13時
