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....
「どっか暖かい所行かん？この辺まだやってる店あるかな」
重たい雰囲気を変えたくて努めて明るい声で言ってみる。
『....』
いくら待っても返事がなくて。
弱っている君に、こんな事聞くのはどうかと思ったけど
オレの一方通行の想いを何とかしたくて、それに何となく
殻に閉じ籠ってしまったような君をこじ開けて出してあげたかった。
「今日何でオレに電話くれたん？」
『....』
「何か居ても立ってもいられなくて
結構すっ飛ばしてきたんやけど」
『....』
返事はない。....今、言うの失敗やったかな。
やっぱり、気にせんでって冗談めかしてなかった事にしようか....。
どないしよう....と空を見上げる。
あ、今日星綺麗やなあ。久々に見る星空に一瞬気をとられた。
あの、３つ星が並んだやつ。なんやったっけ。
....確か、オリオン座？....どっかで聞いた。
誰かに教えてもらったんやったかな....。
気をとられてるうちに、取り消しも出来ない間があいて。
君がポツリと話始めた。
『この前は、吉瀬さんに引き合わせてくれて
ありがとうございました』
吉瀬さんは、彼女のパチンコ屋でバイトしてたときの同僚の女の子。
オレと相方が凄くお世話になってて、その吉瀬さんと
もう一度会いたいという彼女に、橋渡しをしてあげた。
一緒に居酒屋で飲んだ。....楽しかったな。
『最初に河井さんと会った夜。
河井さんが、吉瀬さんを知ってるって言うのを何でそのまま
鵜呑みにできたのか。連絡先まで交換して』
「え？」
....
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作者名：優朱 | 作成日時：2020年12月8日 21時
