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....
友達の出現に危うく声を出しそうになって、唇をふさがれた。
いち、に、さん
「佐々木先輩と一緒かもって言ってたから、ふたりでどっか
行っちゃたかな」
「ね、晟也君復活したって」
「うそ、酔い潰れてたよね。もう卓球やってんの？」
「うん。早く見に行こうよ」
し、ご、ろく
「Aと佐々木先輩あやしくない？」
「それより、川島君、絶対Aの事好きだって」
「川島君ってカッコいいよね」
「もう行こっか」
「いないしね」
パタパタと、去っていくケイちゃん達。
皆がいなくなって、やっと唇を離してくれた。
だけど、すぐに手首を掴まれた。
「川島、好きやって？」
『え、川島は高校からの付き合いで、ただの友達ですよ』
「呼び捨て、してたし。仲良さげにしゃべってたやん。
聞こえとったで」
先輩の切れ長の目がヒュッと細くなった。
「なんか、腹立つなあ。Aはオレのなのに」
また、唇があわさる。だけどさっきみたいなのじゃなくて。
先輩の舌が割って入ってきて、熱くて深いキス。
『せんぱ．．．』
「先輩呼びやめろ」
先輩は川島にやきもちを妬いてる。
わかっているんだけど、さっきの酔いが戻ってきて
『ん．．、やば、きもちい』
正直な気持ちが漏れる。
「おまっ、煽んなよ」
直人さんが好き。もっと、キス、したい。
だけど、聞いておかなきゃならないことがある。
意を決して唇を離す。
途中で離されて驚いた、直人さんの顔。
『直人さん。わたし、この前直人さんの事好きって言いました。
直人さんは、どう思ってるんですか。わたしの事』
「彼女にしたるってゆうたんやから、わかるやろ」
『ちゃんと聞きたいです。わたしの事好きですか？』
「．．．。いっぺんしか言わんからな。Aの事好きやっ」
．．．ごめんなさい、ホントは気付いてました、先輩。
だけど、ちゃんと言葉で聞きたかったから。
先輩の告白が言い終わらないうちに、今度はわたしから唇を奪った。
「お前こんな事して。この後どうするつもり？」
『わたしの部屋来ます？皆卓球行ってるし』
「すぐ戻ってくるやろ」
『嘘ですよ』
「．．．じゃ、ここでいいか」
『え、やだ』
「うそ」
『．．．』
ぷっ。
くくくっ。
「今度ふたりで温泉行くか」
『いいですね』
『とりあえず、ここでビール飲んどきます？』
「そやな」
でも、その前に、もう一回。
あなたとの、キスを、おかわりしたいです。
Fin.
……
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作者名：優朱 | 作成日時：2020年12月8日 21時
