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....
「なんなんですか、もう。可愛らしいこと言って
キスして欲しいんですかあ」
『いや、···それはいい』
「いいんかーい」
『あはははは』
『ね、わたしって芸人さんと関わること多いじゃない？
ちょっとは、お笑いのスキルあがったかな？』
「．．．．．、Aさんは別にスキルがあがったわけでは
ありません。
僕達と居るからそう感じるだけで、一般の人の前で
やったってダメですよ」
．．．．。
そうなのか。この前調子にのって居酒屋の同僚たちの前で
なおきといるみたいな感じで接したら、体調悪いんですか？
って言われたんだよね。
ダメなのか．．．。
「Aさんは、普段はそんなキャラじゃないんですから
あんまり変なことしたら、引かれますよ」
『変なことはしてないし．．．．．．あ』
「やっぱり」
「Aさんの事は、何でも判るんですから、隠してもダメです」
『なんで、わかんのよ』
「見てたら分かります」
『凄いね、なおきは』
「拗ねても、可愛いだけですよ」
『．．．．．なんか、恥ずかしくなってきた』
こうやって、言いたいこと言えるのは、なおきだから。
夢から醒めて現実に戻っても、全然苦しくなかった。
昔のわたしは、閉じた思考の中にいて
ずっと夢みたいな世界に憧れていたのに。
良いことも、悪いことも、全部話しても受け止めてもらえる安心感。
笑いのスキルも高い人だから。
『．．．．．ありがとう』
「そこは、好きだよじゃないんですか？」
『うん。．．．．それは恥ずかしい』
「ああ、もう！」
『あはははは』
『ホントに遅いね、河井氏』
「河井さんの事はいいですって。
なんか、出会ったみたいですよ。誰かに」
『え？そうなの．．．．．．．』
「気になるんですか？」
『うん。．．．．だって、早いじゃない』
「気にしなくていいですよ。もう。
河井さんにしたら通常運転ですよ」
『そうなの？ホントにモテモテなんだね』
「．．．．誰が、モテモテやねん」
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作者名：優朱 | 作成日時：2020年12月8日 21時
