＊ ページ17
....
『黒髪が綺麗で、いつも背筋がのびてて、カッコいい人です』
『私とは対照的で芸人さん達と恋愛ぬきで仲良くて
よく相談とか受けてました』
....オレ、その人にこの前怒られました....
『仕事場だけの付き合いだったけど
ホントは仲良くしたかったんです』
さっきの眉間の皺の時と、うって変わって、穏やかに話す彼女を
スルーすることは出来なかった。
あの、黒髪の子もちょっと拗れた子やなと、思っとったけど
ちゃんと見てくれてる人居てるやんか。
....会わせてあげたら、喜ぶかな。
....憧れの彼女を狙っとるのが、オレの相方やって知ったら
また、眉間に皺がよるんやろか。....稲田殺されんかったらいいけど。
だけど、それも見てみたいかな。
くくくっと笑ったら、それを見て不思議そうな顔をした。
「あの、その人知ってるかもしれません」
『え、どうして？』
「知り合いだと思います」
『え、そんなことあります？でも、あの人もう
パチンコ屋辞めたみたいで』
「居酒屋に勤めてます。いま」
「会いたいですか？」
....そうやな、まず連絡先交換して。
....一緒に居酒屋連れてってあげて。
....一緒に飲んで。
....そしたら、距離が縮まるやろか
彼女は予想通り、眉根をよせて、暫く考えて
『会いたいです。良かったら一緒に行ってもらえますか？
一人で行くの不安なんで』
「いいですよ」
と、笑顔で答えてあげる。
....よしよし計画通り。
「じゃあ、連絡先交換してもらえますか？」
彼女の顔は、....自分の溢れる下心で....、
こわくて見れなかったけど
にやける顔をおさえるのに苦労した。
Fin.
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作者名：優朱 | 作成日時：2020年12月8日 21時
