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『もうさ、しんじといると笑いじわ増えてたいへんだよ』
『おばあさんになったら、超シワッシワになっちゃいそう』
「そりゃあ、俺と付き合うんなら、それは覚悟してもらわんと」
『へ？何で？』
「そりゃあ、俺が、Aの人生でAを一番笑わせた人間に
なるねんから」
『えー、それプロポーズのやつじゃん。あははは』
「....だからそこ、笑うとこちゃうねんけど」
ごめん。咄嗟に笑ったのは、恥ずかしかったから。
ありがとう。私もしんじの事たくさん笑わせたいよ。
『さあ、おまちかね、Aさんお手製のケーキタイムですよー』
冷蔵庫からケーキを出して切り分ける。
しんじは、豆をひいて珈琲をいれてくれた。
珈琲の芳ばしい匂いが部屋に充満する。
ここに来ると、いつも嗅覚を刺激される。
「『いっただきまーす』」
二回目のご挨拶も、揃ったところで
二人ともてっぺんにのってる苺を食べた。
！！！！！
「『酸っぱーー』」
『なんでー奮発したのにー。もう、酸っぱすぎて笑けてくるよ』
「A、A、酸っぱいのこの一個だけかも、しれんからさ」
結局切り分けたケーキに入ってる苺は、全部酸っぱかった。
なんか、がっかり。せっかく、作ったのになあ。
「うまっ。A、スポンジふわふわ、大成功じゃん」
『ホント？....うん。ホントだ良かった。ごめんね、しんじ』
「味は自信ありって、いうてたやんか。なんも、間違ってないで。
クリスマスケーキ作って来てくれて、ありがとうな」
ちゃんとフォローしてくれるいい彼氏！
私も、しんじにつられて笑顔になる。
「それに最後に甘いやつ、残ってるから」
『ん？なに、ハチミツ？かけんの？』
「くまのプーさんかい」
『違うの？あはははは』
楽しい空気が、すこしづつ甘い雰囲気に変わる。
....
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作者名：優朱 | 作成日時：2020年12月8日 21時
