36：Don't leave me alone ページ36
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新しい豆が入ってきた。
焙煎した具合もよく、鼻の奥にまで通る香りが清々しい。
深みのある豆が好きだけど
でも、今日の新しい豆は・・そうだな
挽いてから数時間は寝かせたほうが、味が出るかもしれない。
となると、出すタイミングが難しい。
朝は珈琲だけを買っていく人が多いから
挽いた豆の香りを外に流すと
立ち止まって、お店に入ってくれる人が多いとわかった。
珈琲の知識だけでなく、人の行動とかをよく見るようになって
その人の顔を見れば、体調もわかるようになってきた。
疲れている人、胃腸が悪そうなのに珈琲をやめられない人。
そんな人には、味を調整して出すようにしている。
もともと豆は湿度や気温で変化するから
同じ味なんて大体わかればいいってなくらいで
「Aちゃんが淹れて」なんて指名がくる時もある。
「驕り高ぶっちゃいけないよ」
オッパの言葉は、いつも私を引き戻す。
自分でも気が付かないうちに、心に浮かぶ不遜。
穏やかでまっすぐな言葉で、手を引いてくれる。
「ランチしてきまーす」
新しい豆で淹れた珈琲とバゲットサンドを袋に入れて
スヨンの自転車を借りて、画廊へと向かった。
風が冷たくなってきた。
CLOSE
あー・・・電話してから来ればよかった。
ランチに出ているのかも。
電話をしてみると、中から音が聞こえた。
どうやらスマホを置いていったらしい。
15分待って帰って来なかったら、戻ろう。
「オッパ、今日お昼に画廊に行ったの。いなかったけど」
「え？そうなの？電話してくれたらよかったのに」
「電話、忘れていったでしょ」
「あ、そうだった・・用があった？」
「新しい豆が入ったから、ランチ一緒にと思って」
「わーそれはごめんね」
「最近、帰りも早いね。画廊のお客さん・・いいの？」
「夏は絵を買う人が少ないからね」
「絵を描くのはお休み・・？」
「うん」
「ずっと描いてなくない・・？」
「朝と夜はAと一緒にご飯食べたいから・・」
「私がアトリエ行くのに」
「いいの。僕がそうしたいの」
「私ね、オッパの絵、大好きなの。
もし私が邪魔をしているなら、一人暮らしするよ」
「そんなのダメだよ。
今の生活からAがいなくなったら、僕は空っぽになっちゃう」
「え・・？」
「明日の夜アトリエに行く」
「明日？」
「だから居なくならないで」
・・居なくなるわけないじゃない。
オッパ・・
どうしたの・・？
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alexis(プロフ) - 第１章ありがとうございました！１章で納まる内容じゃないようーヒロインの気持ちが引けば引き寄せられ、また、押せば押し返される…そして理由は不明という…。怪しくて怖い、そして「？？」が沢山出て来ました。次章が待たれます！ (2017年9月18日 6時) (
レス) id: c45450e957 (このIDを非表示/違反報告)
mayutangm(プロフ) - alexisさん» 怪しい第１章が終わりましたよ。文字数少なくて収めるのてーへんだったｗ (2017年9月18日 0時) (レス) id: 88d04611f2 (このIDを非表示/違反報告)
alexis(プロフ) - mayutangmさん» なぁーんか、怪しい……………じぇったいに怪しい…………怪しいことばかり。そう、どういうことなの？？ねえ、ジェジュン氏！ (2017年9月16日 23時) (レス) id: c45450e957 (このIDを非表示/違反報告)
mayutangm(プロフ) - alexisさん» 残すところあと1話で1章終了！オーナーオッパは謎のママ・・・ (2017年9月16日 11時) (レス) id: 88d04611f2 (このIDを非表示/違反報告)
alexis(プロフ) - mayutangmさん» あ、皆が皆、そー言うオーナーばかりじゃないっすよ！(￣∇￣) (2017年9月10日 23時) (レス) id: c45450e957 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mayutangm | 作成日時：2017年4月7日 23時
