25：Coquettish ページ25
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「Aちゃん・・・？」
コケティッシュな声が耳に入る。
すぐに誰だか分かる、その声。
私を呼び止めたのは、前の職場で向かいの座っていた先輩だった。
翻訳メインの職場では、画面に向かって皆黙々と作業をする。
けれど先輩は、声に出して仕事をするから煩いって言われてたけど
私は彼女の声が心地よくて、むしろその声をBGMに仕事をしていた。
「お久しぶりです！お元気、」
「うん、元気！ね、お茶しよう」
時間ある？とか何も聞かれずに、グイグイと腕を引っ張られて
目の前のカフェに押し込まれる。
ドアを開けた瞬間、強い珈琲の香りがした。
日本で見るロッジのような、木で作られた建物。
その木が、珈琲の香りを吸い込んでいるみたい。
「カプチーノと、Aちゃん珈琲ダメだったよね」
「私もカプチーノください」
「え？飲めなくなかった？」
「へへへ」
と笑ったから、先輩がにやりと笑みを浮かべる。
こんなやりとり、よくしていたな。
ガラスのカップで運ばれてきたカプチーノ。
見た目でもすぐ分かるほど、泡がきめ細かい。
同時にカップを口に運び、コクンと喉を動かした後
目が合ってまたにやりとする。
カップを下ろした私たちの上唇に、白い髭ができていた。
「もう〜こんなに気が合うのに〜今何やってるの？」
「今、珈琲の勉強をしているんです」
「え、何故に？」
一つ一つ質問をされて答えるのも面倒だったから
先輩ならこの一言で分かるだろうと思って、答えた。
「彼が珈琲好きなので」
首のネジが緩んだのかと思うほど頷いて、私の肩をバンバン叩いた。
ほら、すぐ分かったでしょ。
「お茶したかったのはね、それを確かめたかったの」
「え？」
「先週カロスキルにいなかった？木曜の午後」
「木曜・・あ、いました」
「やっぱり！もう〜別人みたいね。髪型もヒールも似合ってる」
「へへへ」
「で。横にいた人が彼？」
「はい」
「やだもう・・あの人いいなあって思ってたのに！」
「え？」
「もう・・電車の中でたまに会う私の王子だったのに！」
「電車？え？彼、電車にはあまり乗らなくて、見間違いじゃ、」
「あんな特徴のある顔見間違えないわよぉ・・私の一年返して！」
・・なに？
電車の中で会った？
一年？
電車にはあまり乗らないって・・
カプチーノの泡がプツプツと緩くなり始めている。
息を吸い込んでも、さっきまでの珈琲の香りがしない。
彼女の声が
雑音に聴こえる。
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alexis(プロフ) - 第１章ありがとうございました！１章で納まる内容じゃないようーヒロインの気持ちが引けば引き寄せられ、また、押せば押し返される…そして理由は不明という…。怪しくて怖い、そして「？？」が沢山出て来ました。次章が待たれます！ (2017年9月18日 6時) (
レス) id: c45450e957 (このIDを非表示/違反報告)
mayutangm(プロフ) - alexisさん» 怪しい第１章が終わりましたよ。文字数少なくて収めるのてーへんだったｗ (2017年9月18日 0時) (レス) id: 88d04611f2 (このIDを非表示/違反報告)
alexis(プロフ) - mayutangmさん» なぁーんか、怪しい……………じぇったいに怪しい…………怪しいことばかり。そう、どういうことなの？？ねえ、ジェジュン氏！ (2017年9月16日 23時) (レス) id: c45450e957 (このIDを非表示/違反報告)
mayutangm(プロフ) - alexisさん» 残すところあと1話で1章終了！オーナーオッパは謎のママ・・・ (2017年9月16日 11時) (レス) id: 88d04611f2 (このIDを非表示/違反報告)
alexis(プロフ) - mayutangmさん» あ、皆が皆、そー言うオーナーばかりじゃないっすよ！(￣∇￣) (2017年9月10日 23時) (レス) id: c45450e957 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mayutangm | 作成日時：2017年4月7日 23時
