3：The second encounter ページ3
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あれからお客さんが来て
なんとなく所在なげになった私は、こっそりと帰った。
ドアを背にして、そのまま３歩進んで振り向いてみる。
後２歩大きく後ろに下がる。そうすればお店全体が見えた。
やっぱりあの写真、違った、あの絵だけでは何のお店なのかわからない。
ドアをスモークガラスにしているのは、直射日光を避けるためって言っていたけれど
お店の前には冬でも枯れない常緑樹が植えてあって
太陽の光が、お店には当たらないんじゃないなって思う。
絶対温度を持つこの人、そういえばヌードはこの写真だけだった。
あのお客さん達も、他と描かれ方が違う写真のようなこの絵に惹かれて
スモークガラスを押すのだろうか？
最初に来たのは、仕立ての良いウールのコートを羽織った若い男性。
次に来たのは、自分の顔をよく知って上品な化粧をしていた年配の女性。
その後、仕事で近くまで来た時
タクシーで遠回りをしてもらって、店の前を通った。
雪ハネがついていない綺麗に手入れされた、高級車が店の前に止まっていた。
たぶん、あの車の持ち主はお店の中にいる。
なんとなくそんな気がした。
それからしばらく日が空いて
徹夜で仕事を終えた私は、翌日(もう当日だけど。しかも昼すぎだし)
早上がりをして良いと言われ、その足であの店に向かった。
雪が降っていた。
チラチラと埃のように舞っていた雪は、店についた頃には
紙吹雪のような大きな破片に変わっていた。
「いらっしゃいませ」
心地よく耳の奥に届くハスキーな声で、迎え入れられる。
「また来てくれたんですね。嬉しいな」
「もっとちゃんと絵を見たくて」
「どうぞ。新しい絵も入ってますよ。あ、ちょっと待って下さいね」
その人は奥からクリーム色のタオルを持ってきて
雪がついている姿も素敵ですけど濡れちゃうから、と
私の頭と肩に積もった雪を振り払ってくれた。
私は早速新しい絵に足を向けた。
カツ、カツと音がして、部屋の中で響く。
靴の踵がすり減っておかしな音が出ていた。
明日、靴屋で修理してもらわないと。
音がなるべく出ないように、踵に重心を乗せないで歩いた。
新しい絵は２枚だけだったけれど
本を読んでいるその人は、見られていることを意識している。
絵の中で、口元がそう語っている。
自然と呼吸が深くなる。
吸い込む空気が、だいぶ温かくなったのを感じながら。
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4：Small talk→←2：Warm temperatures
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alexis(プロフ) - 第１章ありがとうございました！１章で納まる内容じゃないようーヒロインの気持ちが引けば引き寄せられ、また、押せば押し返される…そして理由は不明という…。怪しくて怖い、そして「？？」が沢山出て来ました。次章が待たれます！ (2017年9月18日 6時) (
レス) id: c45450e957 (このIDを非表示/違反報告)
mayutangm(プロフ) - alexisさん» 怪しい第１章が終わりましたよ。文字数少なくて収めるのてーへんだったｗ (2017年9月18日 0時) (レス) id: 88d04611f2 (このIDを非表示/違反報告)
alexis(プロフ) - mayutangmさん» なぁーんか、怪しい……………じぇったいに怪しい…………怪しいことばかり。そう、どういうことなの？？ねえ、ジェジュン氏！ (2017年9月16日 23時) (レス) id: c45450e957 (このIDを非表示/違反報告)
mayutangm(プロフ) - alexisさん» 残すところあと1話で1章終了！オーナーオッパは謎のママ・・・ (2017年9月16日 11時) (レス) id: 88d04611f2 (このIDを非表示/違反報告)
alexis(プロフ) - mayutangmさん» あ、皆が皆、そー言うオーナーばかりじゃないっすよ！(￣∇￣) (2017年9月10日 23時) (レス) id: c45450e957 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mayutangm | 作成日時：2017年4月7日 23時
