16：Swells bud ページ16
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朝、窓を開けて空の色を確認する。
水色に、白い絵の具を溶かし始めたような空。
肌に触れる空気が、柔らかくなったのを感じた。
春が来た。
今日は早めに出て、遠回りをして会社に行こう。
夜は、オッパと待ち合わせの約束。
２年間住んだこのアパートとは、明日でお別れ。
明日から、私はあの広いお家で暮らす。
オッパが初めて家に招待をしてくれた日
12時を過ぎても帰りたくなくて、ずっと一緒にいたくて
少し我儘を言った。
言ってからとても恥ずかしくなって、持ってきたDVDをセットした。
緊張が、私の部屋より高い天井まで届きそうになると
しゅるるるんと降りてきて、眠気が襲ってきた。
何度か首がコクコクとなりかけた時
突然体がふわっと浮いて、びっくりして目が覚めた。
オッパにお姫様抱っこをされていた。
「眠られたら困る」
沈められたシーツはいい香りがして
ベッドのスプリングは、程よく私の体をバウンドさせた。
下から見上げたオッパの顔は、優しさと雄々しさが混ざっていて
綺麗な二重の目が、私に降りてくる。
オッパの手はいつも温かい。
耳にかかる吐息が、私の体をしなやかにさせる。
オッパの体にはタトゥーがあった。
片方の胸に蝶。反対側にラテン語で書かれた文字。
背中には、羽。
その羽を掴みながら、オッパから伝わってくる力を受け入れ
綺麗に敷かれたシーツが乱れていく。
付き合い始めに起こる恋人現象。
離れたくない まだ一緒にいたい
私達は10日間、仕事以外は一緒にいて
同じことを繰り返した。
「ここに住めば？」
部屋はあるし、引っ越して別々に住むなんて勿体無いじゃないって。
オッパの家は、とても広いマンションだった。
セキュリティが良く、コンシェルジュが24時間いる。
部屋は、リビング含めて５つ。
寝室、作業ルーム、ゲストルーム、荷物置場。
画廊とバッグのデザイナーとカフェのオーナー。
それでこんな高級マンションに住めるのかと聞いたら
父親の遺産だから、と教えてくれた。
お父様は働くことが好きで、お金をたくさん残して亡くなり
お母様は最近再婚したらしい。
「息子は僕一人だから、好き放題できるんだ」
家具は新しく揃えよう。洋服も買えばいいね、と。
もともと今使っている家具は、取り敢えずあればいいものばかりで
捨てたって構わない。荷物も少ない方だ。
遠慮しなくていいと言うから、私は「うん」と返事をした。
桜が蕾をつけ始めた日、新しい生活が始まった。
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alexis(プロフ) - 第１章ありがとうございました！１章で納まる内容じゃないようーヒロインの気持ちが引けば引き寄せられ、また、押せば押し返される…そして理由は不明という…。怪しくて怖い、そして「？？」が沢山出て来ました。次章が待たれます！ (2017年9月18日 6時) (
レス) id: c45450e957 (このIDを非表示/違反報告)
mayutangm(プロフ) - alexisさん» 怪しい第１章が終わりましたよ。文字数少なくて収めるのてーへんだったｗ (2017年9月18日 0時) (レス) id: 88d04611f2 (このIDを非表示/違反報告)
alexis(プロフ) - mayutangmさん» なぁーんか、怪しい……………じぇったいに怪しい…………怪しいことばかり。そう、どういうことなの？？ねえ、ジェジュン氏！ (2017年9月16日 23時) (レス) id: c45450e957 (このIDを非表示/違反報告)
mayutangm(プロフ) - alexisさん» 残すところあと1話で1章終了！オーナーオッパは謎のママ・・・ (2017年9月16日 11時) (レス) id: 88d04611f2 (このIDを非表示/違反報告)
alexis(プロフ) - mayutangmさん» あ、皆が皆、そー言うオーナーばかりじゃないっすよ！(￣∇￣) (2017年9月10日 23時) (レス) id: c45450e957 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mayutangm | 作成日時：2017年4月7日 23時
