13：Valentine's day ページ13
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どぎつい。
グリッターラメの黒の包み紙。
ベルベットの真っ赤なリボン。
ラム酒入りのチョコケーキを、高級感のある大人な雰囲気に仕立てあげたつもりが
白い画廊のテーブルの上に置いたら、派手な箱となってしまった。
こういうのは、どこで渡すのか、というのも重要だとわかった。
時すでに遅し。
「もしかして、バレンタインのチョコ？」
「・・はい」
「にしては大きいね？」
はい。という言葉すらぎこちない。
こんなラッピングですみません。と思いながらジェジュンさんの方に押し出す。
その、どぎついラッピングに時間をかけたのがわかったらしく
ジェジュンさんは丁寧にリボンを解き始めた。
「い、家で開けてください！」
「なんで〜？僕、今見たい」
と、包み紙を綺麗に折りたたんで、ポケットに仕舞った。
解いたリボンは、自分の手首に器用に結んでいる。
「わあ〜チョコレートケーキ？ん？いい匂いするね」
そう言いながらミニキッチンに行って
珈琲の追加とフォークを１本持ってきて
止めるまもなく食べ始めた。
「美味しい！しっとりしてて。お酒が入ってる？」
「はい」
「なんだろう？」
「ラム酒です」
「ラム酒かあ！これって手作りでしょ？上手だね」
「教えてもらって・・」
美味しい美味しいと目を丸くして、あっという間に半分平らげてくれた。
ワンホール、結構な大きさだったのに。
食事をしていなくて、お腹が空いていたのかもしれない。
手作りと分かって、無理に食べてくれたのかもしれない。
けれど
ジェジュンさんのマグカップが空になった時
私は、体中の勇気を振り絞った。
ガチガチになった。一瞬で肩が凝った。
頬もひくついていたと思う。
鏡の前でたくさん練習した言葉は、不器用な伝わり方をした。
「す、す、好きで、」
最後の「す」を言う前に息を吸ってしまって
うまく言えなかった。
俯くことしかできなかった。
でも、きっともうわかったと思う。十分に。
返事は
ぽんぽんと頭を撫でられて
ただ、それだけだった。
終わった。
私はよく来る年下の女の子で
ジェジュンさんの恋愛対象ではない。
それから足が遠のいてしまった。
靴の踵はどれもちゃんと修理したから
あの場所で響くことはないのに
もう行くことができない。
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alexis(プロフ) - 第１章ありがとうございました！１章で納まる内容じゃないようーヒロインの気持ちが引けば引き寄せられ、また、押せば押し返される…そして理由は不明という…。怪しくて怖い、そして「？？」が沢山出て来ました。次章が待たれます！ (2017年9月18日 6時) (
レス) id: c45450e957 (このIDを非表示/違反報告)
mayutangm(プロフ) - alexisさん» 怪しい第１章が終わりましたよ。文字数少なくて収めるのてーへんだったｗ (2017年9月18日 0時) (レス) id: 88d04611f2 (このIDを非表示/違反報告)
alexis(プロフ) - mayutangmさん» なぁーんか、怪しい……………じぇったいに怪しい…………怪しいことばかり。そう、どういうことなの？？ねえ、ジェジュン氏！ (2017年9月16日 23時) (レス) id: c45450e957 (このIDを非表示/違反報告)
mayutangm(プロフ) - alexisさん» 残すところあと1話で1章終了！オーナーオッパは謎のママ・・・ (2017年9月16日 11時) (レス) id: 88d04611f2 (このIDを非表示/違反報告)
alexis(プロフ) - mayutangmさん» あ、皆が皆、そー言うオーナーばかりじゃないっすよ！(￣∇￣) (2017年9月10日 23時) (レス) id: c45450e957 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mayutangm | 作成日時：2017年4月7日 23時
