癒される日々 【文スト】 【双黒】 【短編集】

飼い飼われる獣たち　〔中也〕 ページ2

※中也が加虐性愛者
※夢主が被虐性愛者
※共依存病ンデレ
※行為描写(？)有
※流血表現注意

〜〜〜

私の首にぴたりと巻き付く黒い革製の首輪(チョーカー)。首輪の胸側の真ん中には、飼い犬の首輪に付けるのと同じような金属のチャーム。ハート型の其れの裏側には、丁寧に飼い主の名前まで刻み込まれている。

私の首輪には鎖(リード)こそ付いていないけれど、私の周りは常に見えない檻で囲われている。檻の少し外側には、扉。

私は玄関の段差を下りてはいけないから、段差の上の淵ギリギリに立って、その時を待つ。
目の前の扉が開けばそれは、私の愛しい飼い主様(・・・・・)が私の元に帰ってきた合図だ。


嗚呼、待ち切れない。今日は特に。


待ちに待って漸く、今夜も鍵を開ける音が聞こえる。

「ただいま、A。ちゃんとイイ子にしてたかァ？」


…


家に帰ると、笑顔で出迎えてくれる俺の可愛い可愛い愛猫。…いや、どっちかっつーと、此奴は仔犬か？
まァ、そんなもんはどっちでもいい。
何処の猫だろうが仔犬だろうが、俺にとって一番可愛いのは、此奴以外には有り得ねぇンだからな。

「おかえり、中也。いい子にしてたよ？」

俺の問いにそう答え、あざとく首を傾げて両腕を此方に伸ばし、抱っこをお強請り。此れだけで今日の疲れも吹っ飛ぶってもンだ。
俺は靴を脱ぎ、Aを抱き上げ、寝室へ向かう。

「あァ、そうだな。Aはイイ子にしてた。…前回から、二週間振り位ェか？暫く我慢出来たじゃねェか。偉いなァ、A」

「うん。偉いでしょ」

そう云って俺の腕の中でAはドヤ顔をかました。

「くくっ、あァ。そうだな。偉い偉い。
＿＿＿…じゃァ、イイ子には御褒美をやらねェとな」


Aの耳元に唇を寄せて低い声でそう囁けば、Aはピクリと肩を揺らして、はぁ…と熱い吐息を一つ溢した。



ーーー
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