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君の隔絶した世界で 〔黒太宰〕 ページ11

焙じ茶ラテ様リクエスト
ありがとうございます!

※太宰が束縛系、孤立誘導型の病ンデレ
※最初に一寸だけ行為描写有

〜〜〜

静寂を湛える月明かりに映える、真白に乱れた寝台と寝台を乱す人影が二つ。息を乱し、体を繋げる。それを一夜に何度繰り返しても、幾度彼女から求められようとも、青年の不安は拭い去れなかった。

「はぁ、はぁ、お、さむ…今日は、も、寝よ…?」

彼女はとうとう疲れ果てたようで、行為に区切りが着いた所でそう云った。彼女は、未だ女性と云うには幼く、どちらかと云えば少女と云った方が似合う歳だ。しかし今は、それを思わせないような歳不相応に艶やかな雰囲気を纏っている。
それを見て、矢張り青年は不安になる。

この美しい少女は、こんなに美しいままでは、いつか自分以外の少女に惚れた誰かに攫われて仕舞うのではないだろうか。少女の周りに自分以外の人間が一人でも居る限り、その可能性は決して零にはならない。でも、彼女の美しさを損なわせることは出来ない。何故なら、青年は少女が美しいままであることを望むから。
この矛盾する感情を抱え、青年はいつも不安なのである。当の少女本人がその危険性と魅力を理解していないことも、青年の悩みの種であった。

「Aは、私以上に大切な人間が居るかい?」

青年は少女の言葉を全く無視してそう問い掛けた。少女は気を悪くした風でもなく、年相応に笑って答えた。

「居ないよ!私の一番は、治だけだよ!」

「…ふふ、そっか。ありがとう、A」

その言葉一つで青年の大きな不安など、解消し得るのだろうか。青年は少女が眠りに落ちた後、少女の携帯を少し弄ったかと思えば、それを置いて今度は自分の携帯で電話を掛け始めた。

「もしもし、首領。私ですが。明日___」

それが終わると、寝台で眠る少女に一つ口づけ、何か小声で囁いてから部屋を出た。勿論鍵を確りと閉めて。
青年の囁きは、疲れてぐっすりと眠っていた少女には聞こえなかったようだ。少女は起きることもなかった。

「これで、君は漸く本当に、私だけのものになる…」

ふふふ、と契約を結び終えた悪魔のように青年が笑っていたことを誰も知らない…




ーーー
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D night(プロフ) - 待ってコメントに恥ずかしい誤字みつけたww (2021年4月20日 22時) (レス) id: 4cc2763b45 (このIDを非表示/違反報告)
D night(プロフ) - ちょーお久の更新…元々するする心算はなかったんだけどね…なんとなく気分で…。しかもアカウント姫ちゃんじゃないし…笑 (2021年4月20日 19時) (レス) id: 1966d427bc (このIDを非表示/違反報告)
yuuna(プロフ) - リクエスト失礼します!太宰治で浮気性夢主様とメンヘラ太宰が見たいです!お願いします!! (2021年1月31日 5時) (レス) id: a73b6209c2 (このIDを非表示/違反報告)
美紅(プロフ) - 翌日、賢治君がいなくなった捜査を開始する敦君谷崎、ナオミ、夢主信号を待つと背後から手に口を押さえられた中原裏通路に連れ去り口にはガムテープを貼られ後ろの手を縄で縛られたポートマフィア、黒蜥蜴、梶井基次郎がいる組合が死んで涙目が唸り声がするです (2020年10月27日 22時) (レス) id: 5e245d9090 (このIDを非表示/違反報告)
カンナ(プロフ) - 嘘吐き姫さん» ありがとうございます。のんびりお茶飲みながらお待ちしております(*´ω`*) (2020年8月24日 20時) (レス) id: ff159071ab (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:嘘吐き姫 x他1人 | 作成日時:2020年5月11日 17時

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