虚事な奇術師の話 ページ6
ヒソカには趣味がある。
それはもはやヒソカにとっての生き甲斐であり、生きる意味ですらあった。
その趣味とは、強い相手と戦うこと。
それはただ単に至高の強者と戦うこととは限らない。
才能の芽吹いたばかりの熟しきらない"青い果実"を愛でることから始まる。
自分が一から育て、愛でて、最高に熟したところを自らの手で手折る。
自らの手で収穫したその瞬間がたまらない。
文面だけで言えば農家のような有様だが、青い果実とは知っての通り人間のことである。
青い果実を育てるためにはどんな犠牲も厭わないし、自分の腕の一本や二本は喜んで差し出す。
もちろん育成途中の果実は決して逃がさない。
それこそ地の果てから地獄の最果てまで追いかけ回す始末。
もちろんこんな変態に恋愛なんぞ次元が違う話である。
いかんせん色恋より青い果実を優先するような男だ。
いかに道化メイクの下の素顔が美麗であろうとも、中身を知れば世の中の女性はドン引きを通り越して軽蔑する。
しかし、そんなヒソカの元に一件のメールが届いた。
相手はハンター試験の際に手を組んだ暗殺者イルミ・ゾルディック。
メールが届いた当初はヒソカも「仕事の話かな？」くらいに思っていたが、そのメールの内容に驚いた。
『ヒソカに会ってほしい人がいる』
その一文から始まったメールによると、イルミがヒソカに会ってほしい人物とは女性のようだった。
この変態、女性との関わりといえば仕事関係の相手ばかり。
完全な私用で女性と会うことなど一度たりともない。
そんなヒソカにイルミは急に女性を紹介してきたのだ。
だがしかし。
その女性と会うにあたって、イルミはヒソカに複数の条件を突きつけてきた。
一つ、必ずピエロメイクをしてくること。
二つ、ヒソカが持っている服の中で最も気色悪いものを着てくること。
三つ、極力変態っぽく喋ること。
四つ、相手の女性に色目を使ったら殺す。
上の三つに至っては意味不明だし、最後の一つなんかは明らかな殺害予告である。
あっちから「会ってほしい」と言った割に理不尽極まりない条件に、ヒソカは文字通り首を傾げた。
しかも会う日程は明日。
場所はククルーマウンテン麓の某カフェ。
場所や日程まで指定してきた挙句、謎の条件付とは一体…
ともあれイルミは貴重なビジネスパートナー。
いかに理不尽であろうとも、これくらいの要望なら応えてもいいか。
ヒソカは頭に浮かぶ疑問符を消しながら、イルミに了承のメールを送信した。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
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ラッキーアイテム
革ベルト
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(名前)(プロフ) - めっちゃ面白くて1番右の星押そうと思ったんですけど間違えて反対押しました。懺悔致します。続き、待ってます。 (2020年1月22日 19時) (
レス) id: ee36327b5d (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ - もう本当に面白かったです。いつの日か続きが読めることを楽しみにしてます! (2018年2月18日 11時) (レス) id: 471f321dcd (このIDを非表示/違反報告)
こけし(プロフ) - 霧ちゃんfight！ (2017年8月24日 11時) (レス) id: 7f4d6f5010 (このIDを非表示/違反報告)
零 - もうヤバイです 笑いが絶えませんww 最高です！ 夜中なのにめちゃめちゃ笑っちゃいましたw 更新頑張ってください 待ってます！ (2017年8月16日 1時) (レス) id: 102168a696 (このIDを非表示/違反報告)
カタミ - やけに面白いなと読んでいたら、あの旅団の師匠シリーズの作者さんだったのですね！私、1・2年前くらいに読んでました!!これからも頑張って下さい!! (2017年8月9日 20時) (レス) id: ebc33a095d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霧月 | 作成日時：2017年2月15日 13時
