一番上の兄は避行する ページ16
一方その頃。
ヒソカとアリアを引き合わせた張本人ことイルミは、人生最大級の絶望を味わっていた。
自室に閉じこもり、身も心も干物のように干からびているイルミに、末弟のカルトや祖父のゼノは憐れみの目を向けていたが本人はそれどころではない。
ベッドにたどり着く前に、床に倒れ込んだイルミは拳を振り上げて床を叩いた。
こんなはずじゃなかったんだ。
さすがのアリアだって、あんな変態を紹介されたら全力で拒否すると踏んでいたのに。
むしろアリアは拒否するどころか"殺し文句"までぶっ放していった。
ヒソカもヒソカだ。
あれほど「アリアに色目を使ったら殺す」と言ったのに、ちゃっかりアリアと仲良くなっていた。
おまけとばかりに、自分がいる目の前で連絡先を交換し、次のデートの約束まで取り付ける始末。
このままでは大切なアリアの婿の座に、あの変態が収まってしまう。
あれが義弟なんて死んでも嫌だ。
ふと頭に浮かんだのは、満面の笑みで「義兄さん♡」と自分を呼ぶヒソカの姿。
身の毛のよだつ光景にイルミは身震いし、瞬間的に纏っていたオーラが爆発した。
その衝撃で部屋がミシミシと軋む。
軽くポルターガイスト現象が起きている訳だが、イルミはそんなことを気にする余裕などなかった。
ヒソカとオレが家族になる？
挙句に、何より可愛い妹がヒソカの嫁になるって？
いやいやいやそんなことになっては文字通り世界の終わりだ。
むしろそんなことになるのであれば世界が終わった方がまだマシである。
たまらずイルミは床を連打する。
そんなこと、あって、たまるか。
最後の「ダァンッ！！」という強烈な拳が床に入ったことで、今度こそ床が嫌な音を立てた。
あ、ヤバイ。
イルミの研ぎ澄まされた直感がそんな危機を察した時にはすでに遅く、イルミが全力でぶん殴った床は寿命を迎えた。
バキっという音と共に床に空いた巨大な穴に、イルミの頭がずぼりと嵌った。
イルミの自室のすぐ真下は、ミルキの部屋である。
上の階から物凄い騒音が聞こえた後、突如として天井に空いた穴から兄の頭が落ちてきたのだからミルキにとっては恐怖以外の何物でもない。
軽くホラー映画のような有様のイルミと目が合った瞬間、ミルキの悲鳴が家中に響き渡った。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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ラッキーナンバー
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西 - この方角に福があるはずです
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(名前)(プロフ) - めっちゃ面白くて1番右の星押そうと思ったんですけど間違えて反対押しました。懺悔致します。続き、待ってます。 (2020年1月22日 19時) (
レス) id: ee36327b5d (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ - もう本当に面白かったです。いつの日か続きが読めることを楽しみにしてます! (2018年2月18日 11時) (レス) id: 471f321dcd (このIDを非表示/違反報告)
こけし(プロフ) - 霧ちゃんfight！ (2017年8月24日 11時) (レス) id: 7f4d6f5010 (このIDを非表示/違反報告)
零 - もうヤバイです 笑いが絶えませんww 最高です！ 夜中なのにめちゃめちゃ笑っちゃいましたw 更新頑張ってください 待ってます！ (2017年8月16日 1時) (レス) id: 102168a696 (このIDを非表示/違反報告)
カタミ - やけに面白いなと読んでいたら、あの旅団の師匠シリーズの作者さんだったのですね！私、1・2年前くらいに読んでました!!これからも頑張って下さい!! (2017年8月9日 20時) (レス) id: ebc33a095d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霧月 | 作成日時：2017年2月15日 13時
