#_56 ページ13
朝食も昨夜と同様にAがこちらを見つめる中食べた。
食いにくくて仕方がない。
「あ、そういや」
「なに?」
こいつを捕まえた時に拾ったあれを懐から取り出した。
「これ、お前のだろ」
机に転がるのは、簪だったもの。
Aは目を見開いて折れたそれを手に収めた
「壊れちゃったんだ・・・」
「そんな大事なものか?」
「ええ、あの方が私にくれたものなの」
飾りが赤黒く光る。おぞましく引き込まれそうなほど鋭い赤だ。
「直してもらうか?」
Aはしばらく見つめたあと、首を横に振った。
「・・・私は、もう、鬼の敵だもの
あの方だってきっと私の事鬼とすら思ってないわ
これ、実弥が持っててくれない?」
「は、俺がか?」
俺の手を取って、手の上に折れた簪を乗せた。
「私が生きてた証拠にでもして」
こいつが発したその言葉の重みは、俺がいちばん理解しているつもりだ。
俺は分かった、と言って、ふたたび懐にしまうのだった。
386人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
林檎 - リクエスト宜しいですか?街の酔っぱらった不良みたいなのに絡まれて普段なら殺してたのに殺さなくてあたふたしちゃう夢主ちゃんとそれを助けてあげる不死川さんのお話欲しいです! (2020年2月25日 18時) (レス) id: 2fcb555ff8 (このIDを非表示/違反報告)
朔弥(プロフ) - リクエスト失礼します!夢主ちゃんが3〜5歳くらいの幼児になってしまったというお話がみたいです!失礼しました! (2020年2月19日 18時) (レス) id: 8644c3ea5c (このIDを非表示/違反報告)
雪羽(プロフ) - 朔弥さん» 朔弥様 コメントありがとうございます!たくさんの方と絡めていきたいな、と思っております!更新頑張りますね! (2020年2月18日 19時) (レス) id: de795d13e6 (このIDを非表示/違反報告)
朔弥(プロフ) - 続編も頑張ってください。これから鬼殺隊の皆との絡みが楽しみです。( >_<)<ガンバレ!! (2020年2月18日 0時) (レス) id: 8644c3ea5c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:雪羽 | 作成日時:2020年2月17日 19時