私たちは、咲く。第1章 (ページ7)

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side.ANNA

そんなある日、

ﾕｶ｢杏那ちゃん！K-POPって知ってる？｣

聞いたことはあるが、意味は知らなかった。

AN｢けーぽっぷ?知らないです…｣

ﾕｶ｢あら！そんなに申し訳なさそうにしないでもいいのよ。知らないのは無理もないわ！｣

何も知らない私を気遣って、そう言って笑いかけてくれるユカさんは本当に優しいんだと思った。

ﾕｶ｢K-POPっていうのはね、韓国の音楽のことなの！キラキラ輝くアイドルたちはとっても素敵なのよ。｣

AN｢アイドル…か。｣

ﾕｶ｢うん。それで今ね、私のお友達が、K-POPの事務所の社長をしてるの。｣

AN｢事務所の社長…ですか？｣

ﾕｶ｢そう。それでね、今、練習生をになれるような子を紹介してって頼まれてて…やっぱり、若いうちは色んなことを経験してた方がいいじゃない？｣

ﾕｶ｢だから、アイドルになってみない？｣

“アイドル”

1度涙を捨てた、私に人を笑顔にするようなことができるだろうか。

でも、それよりも、以前の私のように辛い思いをしている人や悲しい思いをしている人達に、笑顔を届けたい。その気持ちの方が断然大きかった。

自分でも気づかないうちに私は、

“はい”

そう答えていた。