42話［迷宮ディスカバリー！］ ページ2
デュースside
監督生達と分かれ、A先輩を探し始めてから数分が経った
未だにそれらしき部屋は見当たらないし、いつ寮生が自室から出てくるか分からない。
もう何階上がっただろうか
そもそもこの寮は何階建てなんだ…？
今見て来た階も全て寮生の部屋だ
また階段を上がろうとしたが行き止まり
ということはここが最上階なのか？
もう一度下の階に戻ろうとした時、ふと廊下の奥に低めの扉が見えた
近づいて開けてみると
塔の外側についた階段が続いている
冷たい夜の風が、暗闇で目立たないように着てきた式典服を撫でた
急いで階段を駆け上れば、鍵のついた木製のドアが1つだけある
俺はこのドアに見覚えがあった。
経路は違うけど、A先輩がかくまってくれた部屋
…先輩が初めて俺の名前を呼んでくれた部屋
何の確証もないのに、何故か彼女が居るような気がして
考えるより先に口が動いていた
「A先輩！！」
必死でドアに呼び掛ければ、か細い声が聞こえてくる
『あ…
デュース君…？』
先輩だ…A先輩だ…っ！
ドアに付けられた金色の南京錠はもちろん壊れないけど、俺に今出来ることは１つしか無かった
「先輩、ドアから離れて下さい！」
A『分かった』
「いでよ、大釜っっ！！」
俺の精一杯の魔法でドアごと破壊すると、瓦礫の向こうには白いワンピースを着た先輩が床に座っていた
ずっと部屋に居たからだろうか
目はうつろで、元々色白な肌は白を通り越してしまっている
「先輩……っ！？」
慌てて駆け寄り身体を支えた俺は絶句した
自分の手に触れた感触は、角ばった骨
彼女は痩せ細っていたのだ
人間の体重がこんなに軽くなってしまうことを初めて知り思わず血の気が引いた
『あはは…気持ち悪いよね
食欲無くて』
気持ち悪いなんて微塵も思うものか。
困った顔をして笑うこの人は今にも消えてしまいそうだった
自分より冷えたA先輩の身体をそっと抱きしめる
「本当に…無事で良かった…っ！」
『来てくれてありがとう』
俺の髪を撫でる手から伝わってきた少しの温もりに、思わず涙が溢れた
43話［救出インプリゾンメント！］→←41話［対面ビューティー！］
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2351人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
hijirichan4224(プロフ) - 早く続き読みたい！更新されるの待ってます! (2022年9月12日 8時) (
レス) @page5 id: f9e6be770b (このIDを非表示/違反報告)
アモン - この作品とても面白いですね…………！？続き楽しみにしてます！頑張ってください！ (2022年1月10日 16時) (レス) @page5 id: c78551f31f (このIDを非表示/違反報告)
らん - 続き頑張ってください！応援してます。 (2021年9月20日 15時) (レス) id: 537a4dd253 (このIDを非表示/違反報告)
愛弥 - 続きお待ちしています！頑張ってください。応援しています！ (2021年8月7日 11時) (レス) id: b76c9fcfae (このIDを非表示/違反報告)
監督生 - 連載頑張ってください！！応援してます (2021年4月24日 13時) (レス) id: 575c558c47 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
