輝きをこの手に(JW 青×赤)

34 ページ34

Daiki.









淳太さんと別れてから、なんだか1人の家に帰りたくなくて、流星さんにどうしても会いたくて、流星さんのお店の近くまで来てしまった。


どんな顔して会えばいいのか、今更そんなこと思うけど、どうしても淳太さんを頭の中から少しでも消し去りたくて、とにかく流星さんに会いたかった。


淳太さんと会ったばかりで、流星さんに会いに行きたくなるなんて、自分でふらふらとしてだらしないやつやなって心底思いながら、向かう足は止まらへんかった。









そして、遠くからお店の方を見ていると流星さんの姿が見える。


お客様のお見送り…？と思って眺めていると、胸元がガッツリと開いた綺麗なドレスを着た女性と抱き合ってる。


一方的に女性から抱きついているような感じやけど、それでも、………何故かいい気分はしない。


でもホストやねんから当たり前やん。そんなこと。


まずなんで俺が流星さんのことでこんなふうに思ってしまうんや。


流星さんは俺の事ペットみたいに可愛がってくれてるだけやもん。


あの子達と一緒、………みたいなもんやろ。


そして帰り際に頬にキスされた流星さんは、デコピンを仕返して、可愛らしくえくぼが出来る笑顔で手を振った。


最後は丁寧にお辞儀をして。


それから流星さんのことをぼっーと見ていると、知らない男に声をかけられた。


《お兄ちゃん、めっちゃ可愛いやん〜おじさんと遊ばへん？？》


明らかに酔っ払ってる。


ちょっと強引に手を引っ張られたから、さすがに抵抗した。


『、やめてくださいっ！！』


その俺の声に気がついたのか、流星さんがパッと俺の方を見て目を丸くした。


力を振り絞って男の人を強く振り払うと、そそくさと舌打ちをして去っていった。









.

35→←33

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す