現在編２８−決戦― ページ36
突如出現したもう2本の杖から放たれるメラミ、イオラなどの呪文を交わし、魔力を宿した双剣をAが振るう。
切り開かれた突破口からイレブン、カミュがそれぞれ鋭い一撃を加えた。
更にその後ろにはマルティナの蹴り技とロウの爪攻撃によりウルノーガがよろけ、その後方からはベロニカのメラガイアーが炸裂する。
最後尾ではセーニャがあらゆる邪悪な効果に対するバリアーを張り、シルビアが気力を回復する踊りで援護した。
グレイグは大剣で攻撃しつつも、その巨漢を駆使し味方に降り注ぐ攻撃を防いだ。
イレブンの渾身の一撃が炸裂し、ウルノーガからも余裕の色が消え始め、もう一息と思った瞬間。
持ち前の魔力でダメージをある程度軽減したウルノーガは、不気味な霧を辺りに放ったのである。
慌てふためく一同に、杖から放たれる呪文に加え、ウルノーガの闇の呪文、ドルモーアが襲い掛かった。
すぐさま回復呪文と踊りで立て直すはずだったが、それで回復するどころか更なる苦痛が全員を襲ったのである。
不安からくる精神的ダメージが肉体的なそれを上回ったその時。
「く・・・っ、こんなところで、斃(たお)れてたまるかッ！！」
力を振り絞って立ち上がったのはグレイグだった。
自分の元へ着実に距離を縮められ、その気迫に圧倒された時、グレイグの背後から一瞬影が飛び出したのをウルノーガは見た。
「やあっ」
双剣を手にしたAがウルノーガの目の前まで迫り、その刃を振り下ろしたのだ。
不意打ちを食らいながら後ずさるウルノーガは、己の心臓に鋭い痛みを覚えた。
見るとそこには。
ウルノーガを背中から貫いた剣の切っ先が血に染まり、鈍く光っていたのである。
「がはっ」
吐血しながら振り返った先に、剣を己に突き立てた主を見る。
立っていたのはホメロス。
密かに抱いていた劣等感につけこみ、言葉巧みに己の手先として操っていた男である。
長年の間に生じていたわだかまりが解け、更に互いを理解しあった双頭の鷲とその教え子は、これまでにない強い絆を手に入れていた。
強敵を前にし、窮地の中でもぶれることなく連携の攻撃ができる程に。
その姿に怒り、憎しみ、加えてどこか滑稽さを感じながらウルノーガは口を開いた。
「は、はは・・・今まで散々に役立ててやったと言うのに、この裏切り者、がっ」
最期の力で杖を振るったウルノーガだが、難なくかわされる。
剣の主―――ホメロスは、かつての主に向けて言い放った。
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遠山すずか(プロフ) - りぃんさん» りぃん様、最後まで読んでいただきありがとうございました！またお気遣いのお言葉も、本当に嬉しく思います。短編の方も頑張って更新していきますので、またよろしくお願いいたします。 (2018年5月25日 16時) (
レス) id: 1a8ae502d9 (このIDを非表示/違反報告)
りぃん(プロフ) - 完結おめでとうございます！お体を優先に気長に短編お待ちしております。本当に大好きな作品でした。 (2018年5月25日 16時) (レス) id: 7ca0ccb51c (このIDを非表示/違反報告)
遠山すずか(プロフ) - りぃんさん» りぃん様、コメントありがとうございます。ホメロスへの救い欲しさが募り、この連載の執筆に至りました。楽しみにして頂いているとの事、とても嬉しいです！頑張って更新していきたいと思います。これからもよろしくお願いします。 (2018年5月14日 10時) (レス) id: 1a8ae502d9 (このIDを非表示/違反報告)
りぃん(プロフ) - 初コメ失礼します。この小説とても楽しみに読ませて頂いてます！更新頑張ってください！ (2018年5月14日 10時) (レス) id: 7ca0ccb51c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遠山すずか | 作成日時：2018年4月26日 18時
