メンタリズムの法則

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「ひろこそ、まったく瞳孔が変わんないよ？」

「うっそ。こんなに太輔くんに興味津々なのに？」

「ふふふ。俺だって、いつもひろには興味津々ですよ」

「じゃあ、俺たちが目を合わすときは、どっちも瞳孔が開いてるから分かんないってことか」

「そういうこと。まぁ、開きっぱなしじゃ死んでるけど」

「あはは。そりゃそうだな」


くすくす笑いあいながら、ひろの唇を今度はじっくり味わうために塞ぐ。
柔らかくその唇を食みながら、じわじわと湧き上がる衝動に背中の両手をじんわりと下ろして、俺を誘惑してやまない丸いその尻へと滑らせる。



「ねぇ…」



同意を求めようと甘ったれた声をその敏感な耳に注ぎ入れると、ひろはくすぐったそうに肩をすくめた。
そして色っぽい流し目でふふんって笑う。



「お前が俺に興味津々だって、証明してみせろよ」



可愛くて幼いその顔や小さな体に反して、中身はかなり男前なひろ。
そのくせ、急に子供っぽいところやわがままなところ、寂しがり屋なところを出してきて、ころころと表情を変える。
それは、もう十年以上も傍で見ている俺からしても、いつもとても新鮮に映り、ドキドキさせられる。



だから。



どうやったら俺がひろに興味を失うのか教えてほしいぐらいだ。




「お前の躰にみっちり証明してやるよ」




ニヤニヤと俺を挑発してくるひろの鼻に自分の鼻先を摺り寄せて、唇を触れるか触れないかのところで返事をする。
すると俺を翻弄しまくるこの可愛い人が焦れたように俺の唇に吸い付いてきて、俺はこの躰にいっぱい証明してやらなきゃなと、おかしな責任感を覚えながら、ひろと共にソファに沈んだ。






fin.

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