夜景の見えるレストラン ページ3
すっかり日課となった夜の電話で、翌日の仕事の現場がAちゃんの職場の近くだと判明。
仕事終わりに拾ってそのままデートをする約束をとりつけた。
「おつかれさまです。」
「おつかれ、お迎えありがとう」
「いいえ。
では、お腹を満たしに行きましょうか」
Aちゃんの職場まで迎えに行って乗せると、事前にリョウクから教えてもらったレストランへと車を走らせる。
「うわーーー
キュヒョナ、いつもこんな所来てるの？」
「いやいや、リョウクにおすすめ教えてって言って、俺も今日初めて来たからビックリしてる」
そんなに高くない山の中腹にある、星屑をバラまいたような夜景が見えるレストラン。
かと言ってかしこまりすぎてるわけではないし、半個室だから落ち着いて食事ができそう。
店の内装や窓の外の景色を見て目を輝かせているAちゃん。
リョウクのやつ…ああ見えて女の扱い慣れてるからな…
あいつに聞いてよかった。
「こんな所に来るって知ってたらもっとちゃんとおしゃれしてきたのに」
「いや、ごめんね。俺も知らなかった。
でもそのままで十分キレイですよ」
「え、そう？……ありがと」
店の雰囲気がそうさせるのか、夜景が後押ししてくれたのか、自分でも鳥肌が立ちそうなセリフがサラッと出てきて、それに顔を赤らめてるAちゃんもまた可愛くて。
「後で星も見に行きましょうね」
リョウクに焚きつけられたこともあるけど、日に日にAちゃんへの気持ちが大きくなっていることを実感する。
「？ 何かついてる？」
「あ、いや、美味しそうに食べてるなーって」
「うん、美味しいね」
きれいな景色の見える、おしゃれなお店で、美味しいものを食べる可愛い人を眺めてるだけで俺はもうお腹いっぱい。
「はー美味しかったし、景色もキレイだったし。
今日はありがとうね、キュヒョナ」
「いえいえ、リョウクに感謝ですね。
また2人で来ましょうね」
「うん、また連れてきてね」
次の約束が出来る、それだけで幸せを感じられるくらい、俺はAちゃんのことが好きになってしまっているみたいだ。
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作者名：ゆちぇ | 作成日時：2019年11月20日 5時
