テスト勉強 KH ページ9
「おーい、聞いてる？」
「…」
「おーーい」
「…！あ、ごめん、何？」
「寝てたでしょ」
「いや、あ…うん、ごめん」
忙しい合間を縫って私のテスト勉強に付き合ってくれてるのに居眠りしちゃうなんて！
だって、いい声過ぎて、睡魔が…
「で、これはわかった？」
「うん、大丈夫！」
「じゃあ、次ね」
甘く優しい声で、時に厳しく教えてくれる先生。
はーそれだけでもう頭も胸もいっぱい。
何にも頭に入ってこない。
「もしもーし、目ぇ開けたままどっか行かないで」
「あ。うん、帰ってきた！大丈夫！」
「ふっ、じゃあこれは…」
頭がいい人は教え方もうまいんだなー
歌ってる声も素敵だけど、こうして私だけに話してくれてる落ち着いた声も素敵。
「どう？わかった？」
「うーん、なんかわかったようなわからないような…」
「うーん…だからね？よいしょ」
そう言うと向かい合って床に座っていた彼が、椅子ごとすぐ隣に移動してくる。
それだけでもう心臓はバクバクで、勉強なんか頭に入らない。
「反対から見てるとわかりづらいんだよな。はい、だからこれがね？」
こんなに真剣に教えてくれてるのに、ほんと申し訳ない。
鎮まれ、私の心臓！
冷静に、冷静に…真面目に聞かなきゃ。
よし！
「おっけ？これはもうわかった？」
「うん！わかった気がする！」
「よし、よくできました」
バッと顔をあげた私を優しい目で見ていた彼が、おもむろに私の頭を撫でる。
「よしよし、ご褒美」
そう言って、突然おでこに唇を寄せてくる。
「！ふぇっ？！」
「なんて声出してんだよ。ほら、もっとご褒美欲しいなら次も頑張る」
「は、はいっ！」
こんなご褒美待ってるなら、どんだけでも頑張れるよ！
自分、ファイティン！！！
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作者名：ゆちぇ | 作成日時：2014年7月13日 10時
