甘い時間 DH ページ4
今日はおうちでまったりデート。
今日こそは！流されずに最後までこの映画のDVDを見るんだ！
「…」
「…」
「…！」
隣に座っていた彼が、突然私の膝に頭を乗せる。
我慢我慢。
「…」
「…」
下からすっごい視線を感じるけど、絶対下は向かない。
「…っ」
反応が無いことがつまらなかったのか、内ももに手を滑らせてくるから思わず声が漏れた。
でも無視無視。
「ふー」
軽いため息をついてのそっと起き上がると、私を持ち上げて自分の足の間に座らせ、後ろからお腹に手を回してくる。
もちろん心臓が高鳴って冷静でなんかいられないけど、目線はテレビの画面から外さない。
内容は何も入ってこないけど…
「うーー」
私の肩に顎を乗せて何かうなりだした。
それでも反応しないとわかると、今度はお腹に回した手をもぞもぞと動かし出す。
「…ふっ」
「んー？」
手が脇腹に来た時、思わずまた声が漏れたら、嬉しそうに、でもわからなかったふりをして顔を覗きこむいじわるな彼。
「…っ」
「ふふっ」
また声が漏れそうになってなんとか抑えるも、確実にバレている。
もう映画なんてどうでもいいんだけど、ここまで来たら意地でも目を合わせない。
「…」
「…」
あ、でもそろそろスネるかも。
もう今日は諦めるかな。いや、''今日も''。
「…はっ」
「んふふ」
さっきより大きめに反応すると、すぐに嬉しそうな声を出す彼。
するとまた私を抱き上げて向きをかえ、向かい合わせに膝に乗せると、バチっと合う二人の目線。
「チューして、いい？」
「…ん」
鼻と鼻がぶつかる距離で聞いてくる彼に返事をする前に、重なった。
今日もやっぱり映画は最後まで見られなかった。
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作者名：ゆちぇ | 作成日時：2014年7月13日 10時
