寝てる時は KH ページ30
ほんとに…
｢ヌナまだ？もう俺寝るよ｣
この…
｢早く電気消して｣
年下のくせに…
｢も〜俺明日早いんだよ｣
タメ口で…
｢ねぇ、早くしてよ。｣
生意気な男は…！！
一緒に住み始めて1ヵ月。
まだまだ初々しくてドキドキきゅんきゅん楽しい時期のはずなのに、態度のデカイこの男に、家事をこなす私はイライラさせられる毎日。
誰のパンツを洗濯して干して畳んでると思ってるの？！
と爆発しそうなのを堪えて、黙々とこなす。
やっと全てたたみ終えてベッドを半分以上占領するこの男の横に潜り込むと、すでに半分夢の中。
ふつふつと湧いてくるいら立ちを、軽くほっぺたをつまむことで消化する。
｢ん〜何。おやすみ…｣
もう寝てるし。
なんだか悶々として寝られなくて、右へ左へ寝返りをうつ。
そうこうしているうちに、ベッドに入ってから30分は経っただろうか。
隣からは気持ちよさそうな豪快ないびきが。
いたずら心で鼻を軽くつまんでやると、苦しくて寝返りを打ってこちらへ転がってきた。
そんなに広くないベッド、そのまま私は彼の腕の中にすっぽりと収められ、身動きできなくなる。
その腕があまりにしっかり抱きしめてるから顔を見上げるけど、起きた様子はない。
このままでは寝づらいからと身じろぎすると、ますます締まる腕。
なんだかんだ言っても結局私はキュヒョンが好きだし、無意識なのにこんなことされたら嬉しいに決まってる。
でもなんだかされっぱなしで悔しくて、伸び上がって唇にキスをしてやると目は閉じたままふにゃりと緩んだ口元。
…
悔しい、可愛い。
どんだけ憎たらしい口をきいても、寝てる時だけは素直で可愛い。
だから結局許しちゃうってこと、本人はわかってるのかなぁ〜
結局そのまま彼の腕の中で眠りについた私の寝顔を、こっそりと彼が覗き込んで微笑んでいたことを、私は知らない。
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作者名：ゆちぇ | 作成日時：2014年7月13日 10時
