ヒロインのような恋を。((すえのり)) (ページ10)

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よくあるやつ。ページ10

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2年の試合が終わって、次は1年の試合がはじまる。その前にトイレに向かった。

トイレから出たら急に、女の子5人ほどに囲まれた。

……もしかして、ファンクラブの。

「あの…」

『正門くんとどういう関係？』

『部活の見学の時から目障りだったのよね～』

『さすがに今回は頭にきた』

『ちょっと来なさいよっ』って校舎の裏に連れてかれた。

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周りは当然、先輩だらけで、圧がすごくて怖い。

『早く答えて』

「……なんも、ないですよっ」

『あと、もう1人も別のとこでやってるから』

「えっ、莉奈…？」

『正門くんはみんなのもので、抜けがけは許さないの。あんた達二人が目障りだから圧かけとこうと思ってさ』

「……圧ってなんですかっ」

『は？』

「……正門先輩を好きなんだったら、アピールしたらいいじゃないですか！」

「なんで、一歩引いて見てるんですか？」

「それに、正門先輩はものじゃない！！」

『なんなのこのクソガキ』
……パチンッ！！！！

それと同時にバケツの水を思い切りかけられた。

つめたっ………

違う……これは、私自身だ。
なんでアピールできないの？なんで身を引くの？……情けない自分に腹が立つんだ。

正直、頬の痛みより胸が痛かった。

『あんたねっ……！！！』

もう一発殴られる……って思ったら、その腕は止められ、声が聞こえてきた

「なにしてるんすか」

「……す、末澤くん」

『あ、この子1年で有名な不良の…』

「あ、そっから動画撮ってあるんで、これチクられたくなかったら、もうこいつに関わらんといてくれます？」

『……チッ……行こう』

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