ヒロインのような恋を。((すえのり)) (ページ4)

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現実。ページ4

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「正門先輩、下まで見に行く？」

「えっ？」

「うん、莉奈のためだよ。いこ？」

「ちょっと、A？！」

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莉奈と先輩を引き合わせたのは他でもない、私だ。

あの日以降、正門先輩とは会えば話す仲になって、その流れでいつの間にか莉奈も正門先輩と話すようになって……

でも、こうなったら仕方がない。

こうして「いつもの私」が発動される。

全力応援。
全面協力。

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莉奈は、今まで出会った子の中で一番純粋でとっても優しくて、いい子。私の1番の親友。だから、応援したい…。

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正直なところ、正門先輩は女子から大人気だ。

…サッカー部、イケメン、なにより優しい。

ここまで整っていたら、そりゃそうだ。

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だから、今日も応援団(？)まあ言わばファンクラブの子たちがグランドにいる。

グランドで練習している、正門先輩と目が合った。

あっ！って顔してくれてる…。

「ちょっと、Aっ…今さ」

「気づいてくれたっぽいねっ」

「私ね、これから頑張ってみる…」

「…うん。頑張って」

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私はもうグランドには行かない方がいいだろう。そう感じた。